あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

2019年5月24日

お父さんコーチは指導者失格? わが子をひいきするから?

■今の考えでは息子さんも他の子も伸びない

三つめ。
息子さんの出場機会が減ったため、息子さんの移籍を検討しているようですが、それが正しいとは思えません。


少年サッカーの役割や本質とは......(写真はイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)

このチームでは、試合に出場できないのでうまくならないということでしょうか? それでは、このチームの試合に出られない子たちはどうなるのでしょうか?

加えて気になるのは、息子さん自身の気持ちです。

ご相談者様は、最後にこのように書かれています。

「わが子も伸ばし、ほかの子も平等に起用しているように見られるようになるにはどんな風にすればいいか」

文章で気持ちや考えを表現するのは難しいということを前提にしても、少し違和感がありました。

このような相談はほとんどの場合、「わが子も、ほかの子も伸びるようにするにはどうしたらいいですか?」と結ばれているからです。

これも想像になりますが、もしかしたら、クラブの幹部やほかのコーチの方にわが子中心だととらえられているのかもしれません。

最初のほうでお伝えしたように、「わが子をどう使うか」を考えている限り、そのわが子も、ほかの子も伸びません。みんなを起用すると、みんなが伸びます。だからこそ、みんな出ないとおかしいと私は言い続けています。

これを機会に、少年サッカーの役割や本質をぜひ勉強して下さい。

Jクラブのジュニアチームが試合に全員出したことが報道されています。
全員出場させるようにといわれ、ルール通りやっただけなのに「よくぞ全員出場させましたね」と特別なことをしたように受け取られています。

これは、子どもたちが全員出られるような指導をしていないことの現れだと思います。

池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。

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