あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]
2019年6月21日
リフティングのノルマって必要? 達成しないと試合に出さないなんて子どもからサッカーを奪っているのでは...お父さんコーチの悩み
■サッカーがうまくなるリフティング練習の組み込み方
先日私が一緒にトークショーを行った元フットサル日本代表監督のミゲル・ロドリゴさんは「リフティング練習はいらない、不要だ。試合に使う技術ではないから」とおっしゃっていました。
京都サンガF.C.GMの祖母井秀隆さんも「1960年代のW杯で優勝したドイツ代表のメンバーの中には、リフティングが3回しかできなかった選手もいた」と話してくれました。
練習の時間はある程度決まっています。リフティングを1,000回行うと10数分ほどかかるでしょうか。練習時間内に選手たちにひとりぼっちでリフティングをさせるなら、その時間にミニゲームをやったほうがはるかに上達すると私は考えます。
みなさんが練習の中でリフティングをやりたいのなら、2人組でボールを交換する、3人組でやるなど、ボールだけでなく「人」を見るトレーニングを入れてはいかがでしょうか。
2人組なら最初は静止して、次に動きながらなど、いろいろバリエーションは生まれてくるはずです。ボールコントロール力を養うトレーニングとしてなら、2人組、3人組で最初はワンバウンドで、次にボールを落とさないパス交換を練習してみてください。
池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。