あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]
2022年5月20日
守備時のフィジカルコンタクトを怖がったり、ポジショニングを理解してない小6年代に守備の目的と原則を教える方法は?
■ボールを奪うにはディフェンスの数的優位を作ることも重要
ボールを奪うには、ディフェンスの数的優位にすることも重要です。では数的優位にするにはどうすればいいのか。そこを伝えてください。守備側に注目した練習といえば、1対1から始める指導者が多いようです。その後、人数を増やしていって「カバーできる人がいたら行っていいよ」「みんなで囲んで取ろう」と、守備側の数的優位をつくるよう促します。
オフェンスはシュートを外しても責めたりしません。しかし、ディフェンスが試合で失点したら「どうして取られたのかな? 話し合わないといけないね」と言います。当然ながら、ディフェンスの選手だけでなく、前や中盤の選手にも守備を求めます。
「追いかけなかったよね。どうしてかな? 後ろが困ったんじゃないの?」
そんなふうに言ってください。繰り返しになりますが、いかに真剣に守備をしてもらうかにフォーカスしましょう。
オシムさんは「俺は小学校の先生みたいなものだ」とおっしゃっていました。
自由に考えることを求めながら、これだけはやれないとだめだという基本の考え方や動き方を選手に教えていました。
池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。