あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

2023年1月27日

主要メンバー病欠により苦肉の策で「勝つための作戦」を授けたが、そのやり方は間違いか。指導者としての選択を教えて

■セレクションをしない方が強くなったチームの例


(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません

 

また、福岡に「春日イーグルス」というクラブがあります。私を講演や講習会に招いてくださいます。ここは、ジュニアユース(中学生)のチームでセレクションをする年としない年があります。そうやって、選手をふるいにかけて選んだら強くなるのかを見ているのです。

ある程度の年月が経過して、セレクションしない年のほうが強くなる傾向があったそうです。強くなる理由は、小学生の内部昇格組が多くなるからです。セレクションすれば上手い子が外から集まって強くなりそうですが、実は違いました。

中学でもイーグルスでやりたいと仲良しの子どもたちが集まるので、協力し合ったり切磋琢磨するようです。モチベーションが違ってくるのかもしれません。

長い目でどちらがいいかみてきたそうです。大人が子どもの可能性をどう見るかという視点は重要だと納得させられました。クラブも、トライ&エラーを繰り返すことで進化するのです。

 

 

池上正さんの指導を動画で見る>>

 

池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。

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