あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]
2024年7月22日
ケンカやいさかいが絶えないチーム、真面目な子に迷惑がかかるから解決したいけど、どうすればいい?
■池上さん自身、いさかいが絶えないチームを担当した時に行ったこと
私自身もいさかいが絶えないチームを担当した経験があります。争っている2人だけの問題にせず、チーム全体の話にしました。
これは男子の中に2人だけ女子がいる中学生のサッカー部の話です。女子2人。他の十数人は全員男子。中学生男子は下ネタのようなジョークを女子に向かって言いたくて仕方がない年頃です。しかし、それを女子は嫌悪しています。もっと言えば、男子の中もそういう話が嫌な子もいます。
仲間に嫌な思いをさせるのは良くありません。これから先、同じことが起きないようにするのはどうすべきか? そういったことを話し合ってもらいました。
すると、仲裁に入る、両方の言い分を聞くなど、さまざまな意見が出てきます。常に話し合うことで解決するという経験をさせてあげましょう。
■時に対立したり、意見を言い合うことは成長のプロセスとして大事
けんかしろとは言いませんが、時に対立し自分たちの意見を言い合うことは、成長のプロセスとして重要です。自分が発言するときに「こういうふうにしゃべったほうが相手を尊重できる」などと学びがあります。
例えば練習の中で、けんかしている子ども同士をペアにしてもいいでしょう。それもコミュニケーションが円滑にできるようになるひとつのやり方です。そのためにも、いつも練習する相手を変える習慣をつけておきましょう。
池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。