あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]
2025年4月 1日
ショートパスでつなぐスタイルもいいけど、時にはロングボールも必要 「使い分け」の判断を身に着けるメニューはある?
■トレーニングのアレンジ タッチ数を制限して負荷をかける

概ねできるようになれば、高学年なのでタッチ数の制限をするなど負荷をかけてもいいでしょう。
例えば「全員2タッチでやってみよう」と声がけします。そうすると、長いボールを受けた子は、遠くから飛んでくるボールをワンタッチでコントロールしないといけません。その次は、ボールを受けに来る子に正確にパスを出さないといけない。視野を確保する力がつきます。
私の場合はこの練習を「ダイレクトでやってごらん」ということもよくあります。
ダイレクトでやるとなると、それぞれが何か考える必要が出てきます。ロングパスを受ける人はボールが落ちる地点に向かっていかなくてはいけません。
しかも、蹴ったらすぐに走らなくてはいけない。これをダイレクトでやるとなれば、みんなが正確にならないとうまくいきません。
ただし、そんなに長くやる必要はありません。私のトレーニングは基本的にひとつのメニューを長くやりません。長くやる必要はなく、仲間がどこに走っているかを見て、蹴る。そんなイメージをつかんでくれればよいのです。
そのあとにゲームをするときに、裏を狙ったり、遠くにいる味方に蹴ってみようかな、といったトライができればと思います。
池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。