U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2014特集

2014年9月 1日

【U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2014】大会結果レポート4日目

夏の終わりのビッグイベント、U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジは8月31日、味の素フィールド西が丘で大会最終日、準決勝、決勝が行われました。
 
取材・文/大塚一樹 写真/田川秀之
 

■選抜チーム東京都U-12がバルサに挑む

決勝を争ったのは、柏レイソルU-12を2-0で下したFCバルセロナと、大宮アルディージャジュニアとの激戦を1-0で制した東京都U-12。
 
ダノンカップ日本王者の横河武蔵野FCジュニアをベースに、この大会のために選抜された東京都U-12は「選抜はチームとしては積み重ねるものがないので勝つしかない」(米原監督)の言葉通り、決勝進出、打倒バルサを実現すべくファイナルの舞台に勝ち上がってきました。
 
一方のバルセロナは「日本のチームの守備アプローチが昨年に比べて飛躍的に向上している。研究されていて、自分たちにとっては厳しい戦いが続いた」とサンス監督が再三話していたものの、ハーフウェーラインを越えて意図のある攻撃を仕掛けられた日本チームは皆無。この年代でも“バルサらしさ”をいかんなく発揮し、点差以上に実力差を見せつけて勝ち上がってきました。
 
試合はここまでどちらかというとスロースターターだったバルセロナが、試合開始からフルスロットル。東京都U-12を率いる米原監督が「入りが悪かった」と悔やむように、開始2分、エースストライカー9番パブロ・モレノ選手ボールキープから17番フォデ・フォフォナ選手に決められ早々に失点を喫してしまいました。
 
9番パブロ選手、中盤の要、6番モリバ・コーロマ選手、二人のキーマンにマンマークをつけて対抗しようとした東京都U-12のプランは、試合開始早々の失点で難しいものとなってしました。
 
「東京都U-12は他のチームと違って、とにかく縦に早い。やり方が違うので、想定される状況を選手たちには試合前にすべて伝えた。良く理解してくれたと思います」
 
バルセロナのサンス監督は、決勝を前にいつもよりミーティングの時間を長めに取り、選手たちに相手の傾向と起こりうる状況について示したそうです。
 
試合中に具体的な対応策を考えるのは選手たちですが、バルセロナの選手たちは、示された状況を打開する方法をこれまでのトレーニングで身についたことの中から自ら考え、判断しているのだそうです。
 
 

■タイトルに向けてギアを上げたバルセロナ

この決勝戦では、優勝をかけたファイナルに向けて、バルセロナの選手のギアが一段上がったのも印象的でした。米原監督も「その差は当然感じた。準決勝までとは違う感じがあった」と認めるように、当たりの激しさ、球際への執着が一段階が上がったのは事実です。
 
 
優勝セレモニーで喜びを爆発させるバルセロナの選手たちを見ると、結果を出すことの本当の意味を知り、勝利への執着をはっきりプレーに出し、なおかつ自分たちのスタイルを出し切る。バルセロナは高いレベルでこの両方を追求しているように見えました。目の色を変えたバルセロナと試合ができたことに対して「これが本当の体験。ここからですよ」と米原監督は顔を上げました。

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