U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2014特集
2015年4月 3日
格上チームの試合を観て、子どもたちが考えだしたこと
久保建英選手の凱旋に湧いた第1回大会。そして二度目のバルセロナの衝撃。2013年に始まったU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジは表面的に多く語られることになる「FCバルセロナが来る大会」という以上に日本サッカーに大きな影響を与えています。
サカイクでは、子どもたちが12歳以下という年齢で「世界を知る」「世界を体験する」チャンスを得られる機会を、夏だけの一過性の話題に終わらせてはもったいない! という思いから追跡取材。第1回はバルセロナと対戦した諏訪FCプライマリーのその後をお伝えしました。2回目となる今回はピッチの外から観たワールドチャレンジ。会場に足を運んだ子どもたちが、同年代の世界最高峰を観ることで、何を感じたのかについて取材しました。
お父さんお母さんにとっては「サッカーを観る」という家でも簡単にできるサッカーのトレーニングについての考え方の参考になるのではないでしょうか。(取材・文 大塚一樹 写真 田川秀之)
■もし、自分があの中にいたらどう動けるか?
「自分たちならどうしただろう、と考えた」
これは、ワールドチャレンジにチームで観戦に来ていた元石川SCの子どもたちの言葉です。
COACHUNITEDにも登場した元石川SCは鈴木浩二監督の下、ダノンネーションズカップ決勝大会進出を始め、選手である子どもたちが主体的に取り組むサッカーで結果を残しているチームです。
ワールドチャレンジを一過性の話題ではなく、その影響や継続性をテーマに取材しようと考えた際に、会場で見かけた鈴木監督(現FC EX'ITO横浜コーチ)率いる元石川SCの子どもたちのこと思い出しました。
「あいつらサッカー大好きなんで、いろいろ話してくれると思いますよ。チームで戦術的な話も良くしているので」
元石川SCの練習グラウンドにお邪魔したのは大会から3カ月が過ぎたころ。記憶は薄れていないかなと少し心配しましたが、選手たちはまるで昨日の試合を思い出すかのようにはっきりと話してくれました。
「日本のチームも足下はすごい選手がいたけど、バルサはスペースを作る動きとか、相手を一発で剥がす動きがすごかった」
元石川SCの村瀬広晃選手は日本のチームとバルセロナ、ACミランなどの選手たちの動き方を細かく、自分なりに分析しています。「評論家になってしまっては」と危惧する人もいるかもしれませんが、彼らはJリーグ下部組織のチームと何度も対戦しており、そのときの感覚を物差しにしています。ピッチの外から観ているようでいて「自分がもしあの中にいたらどう動けるか? どう動いたらいいのか?」を頭に描きながら試合を観ていたのです。