U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2015
2015年9月15日
選手をサポートしすぎないで!バルサが実践するお父さんお母さんへの呼びかけ
■タレントを見つけ、人間性を育てる
FCバルセロナにスカウトされ、チームに加入するには厳しい基準があります。メッシは小さい頃からいまのようにプレーしていましたし、シャビもイニエスタも同じです。それは彼らが生まれながらにして才能を持つ“タレント”だからです。
セルジ監督に「タレントを見つけることと、選手を指導して教えこむこと。どちらを優先しますか?」とたずねると、次の答えが返ってきました。
「タレント性を持った選手をどのように導いていくか。その選手が持つ能力を最大限に高め、最高到達地点に導くことができるか。それが我々、FCバルセロナの指導者の仕事です。バルサのトップチームにいるセルジ・サンペールは20歳ですが、7歳のときにいまと同じプレーをしていました。彼にはタレント性があり、バルサの選手として身に付けるべきチームプレーや戦術を教え、技術的にもさらに良くするために導いていきました。バルサに入るには、バルサが基準としているタレント性が必要で、それをを持っている選手をガイドするのが我々の仕事です」
■ブスケッツもジョルジ・アルバも、一度放出されていた
当然、常にガイドが成功するとも限りません。セルジ監督は育成年代の2つの失敗例をあげます。
「ジョルディ・アルバが16歳のときに、クラブは彼を放出しました。当時、同じポジションにはアルバよりもいい選手がいましたから。しかし、5年後にアルバは戻ってきました。いまの活躍は誰の目にも明らかで、我々の当時の判断が間違っていたといえるでしょう。ブスケッツも同じで、カンテラ時代はセンターフォワードをやっていました。しかし、彼にはスピードがありませんでした。一度、バルサから放出され、再び戻ってきた時に、ボランチで起用されました。私は、彼が世界ナンバーワンのピボーテ(ボランチ)だと思います」
セルジ監督はさらに続けます。
「選手を獲得したときに、どのポジションで起用するかは非常に大切です。グアルディオラ(元監督)はブスケッツについて『ワンタッチ、ツータッチでプレーするのは世界ナンバーワンの選手だ。でもスリータッチ以上させると、普通の選手になってしまう』と言っていました。その選手をどのポジションで起用するか。それをコーチ陣が管理することが重要なのです」
ブスケッツの例からもわかるように、多くの熱心な指導者は選手を見極め、伸ばそうと試行錯誤しながら選手と接しています。サッカー少年の親にできることは、コーチを信頼して、親だからできる部分のサポートをすることかもしれません。
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