U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2015
2015年9月17日
なぜ、アルゼンチンの大人たちは何度注意されてもピッチに入るのか
■日本の子どもたちにも、プレーの激しさは教えられる
――たとえば日本の選手のようにテクニックはあるけど情熱が少し足りない。アグレッシブさがない選手がいたらどのような指導を行いますか?
技術があるのは素晴らしいことなので、アグレッシブさを出せるように導いていきます。チームの中に入れば仲間たちの激しさが自然と伝わるものです。そのなかでテクニックを発揮すればいい。なので、特別扱いをするわけではありません。
――とにかくカミオネーロスの熱さ、情熱的なサッカーは今大会に新鮮な風を送り込んでくれました。どんなときも全力でボールとゴールを奪いに行くあなたたちのファンになった人も多かったようですよ。
それはとても嬉しいことです。日本のみなさんには私たちが特別に映るかもしれませんが、アルゼンチンに行けば、日本のチームやスペインのチームの方が特殊です。とても変わっています。たぶん、他のチームの人たちやファンから『あいつらやる気あんのか?』と思われてしまうのではないでしょうか。それくらいアルゼンチンでは気持ちを前面に出してプレーするのが当たり前なんです。
――アルゼンチンではサッカーがすべて。初戦の後、会見で仰ったことが少しずつわかってきました。
私も小さいときからそれを見てきたし、サッカーは私にとって情熱そのものであると同時に仕事でもある。いまもこうしてサッカーで生きているけど、サッカーに生かされているとも言える。アルゼンチンではみんなそう。サッカーがすべてなんだよ。
■選手を鼓舞し、チームの指揮を高める言葉の重要性
南米有数のサッカー大国、アルゼンチンのクラブを加えたことで、ついに真のワールドチャレンジとなったこの大会。メッシやアグエロはもちろん、マスチェラーノのような選手がどんな環境から育ってくるのか。南米は激しい、生活がかかっているから必死、何よりサッカーがすべて。これらはみんなどこかで聞いたことのある台詞ですが、こうしてまだあどけなさの残る、けっしてサッカーの技術で圧倒するわけではないカミオネーロスの選手たちを目の前にすると、“体感”することの大切さがさらに実感として伝わってきます。
「行け!もっと強く行け!」「倒されるまで行け!」「やめるな!」「続けろ!」「相手の時間を奪え」「強く、強く、強く!」
後でチーム通訳から、エキサイトしたコーチ陣がどう声がけしていたのかを聞いてみました。アグレッシブさ、やり切ることを強調する言葉ばかりですが、選手を非難しているわけでも、失敗を責めているわけでもありません。感情的に見えますが、カミオネーロスのベンチから出ている声はすべて、選手を鼓舞し、チームの士気を高める言葉だったのです。
彼らがよく言っていた「情熱」という言葉ひとつとっても、日本人の感覚とはまったく違う「pasión(パシオン)」という概念なのでしょう。
国の数だけ、その歴史と文化の数だけサッカーがある。ジュニアサッカーU-12ワールドチャレンジは、子どもたちやコーチ、見ている私たちすべてが世界を知るための大会でもあります。
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