U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2017
2017年8月28日
大会連覇したバルサ監督の「想像以上」だった日本チームの持ち味とは!?
過去最多の24チームが参加して行われたU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2017は27日(日)、大会最終日を迎え、味の素フィールド西が丘で準決勝2試合と3位決定戦、決勝が行われました。
バルセロナのサンチェス監督に自チームの選手たちが「バルセロナの選手」になるための課題と、この大会で対戦した日本チームの印象を聞きました。(取材・文:大塚一樹、写真:新井賢一)
(大会を連覇したFCバルセロナの選手とコーチたち)
決勝戦は、準決勝で名古屋グランパスU-12を5-0で圧倒したFCバルセロナと2年連続の決勝進出を目指した大宮アルディージャジュニアを逆転で下した東京都U-12(以下、東京)の顔合わせになりました。
(準決勝では名古屋グランパスU-12に5-0で勝利)
「打倒バルサ」を掲げて毎年スペシャルチームを送り込んでくる東京都U-12は、一昨年の準優勝チーム。2015年の大会では準決勝でバルセロナと1−1で引き分け、PK戦の末に決勝進出を果たしています。
この日もディフェンスラインからボールをつなごうとするバルセロナのCBに素早いプレッシャーを掛けつつ、パスの受け手となるSBもマークする積極果敢な守備を見せます。
「試合開始5分までは特に、サイドの選手が前に急ぎ、中盤の選手はフリーのスペース、フリーの味方選手を見つけることができていないようだった」
バルセロナのダビド・サンチェス監督は、東京の強烈なハイプレスに選手たちが対応しきれず、ビルドアップがうまくできない場面があったと試合を振り返りました。それでも「徐々にいいプレーが見られるようになってきた」(サンチェス監督)
バルセロナは、左サイドで攻撃の形を作り、22番のジャン・モリナ・ビラセカ選手がゴール。この先制点で守備からリズムを作り、勝負どころで攻撃の選手を投入する東京のゲームプランが崩れたかに見えました。
(GKが前に出てきたことを見て、頭上を浮かすシュートで決勝点を挙げた)
しかし、東京はこの失点に動じることなく、粘り強い守備を継続。時折見せる鋭いカウンターで好機を演出します。すると集中力を保った東京の攻撃が実ります。19番吉荒選手のミドルシュートをGKが後逸。ボールはゴールに転がり、東京が同点に追いつくことに成功しました。
「後半になっても運動量が落ちない。どの試合でも日本人選手の規律正しさには驚かされたが、東京の選手は特に素晴らしかった」
サンチェス監督が驚いたように、東京都U-12のプレッシャーは、後半になっても衰えません。さすがのバルセロナにも焦りの色が見えた試合終了間際、ロングボールから抜け出した12番のアマドゥ・バルデ選手が逆転ゴールを挙げます。この得点が決勝点になり、FCバルセロナは、2年連続4度目の優勝。東京都U-12は2度目の準優勝となりました。
決勝に先駆けて行われた3位決定戦では、名古屋グランパスU-12が大宮アルディージャジュニアを2−1で下し3位に。大宮アルディージャは4位という最終順位になりました。