U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2023

2023年8月30日

ピッチ内外での振る舞い、サッカーを通じた人間形成 イタリアの名門ユベントスがU-12年代の育成で大事にしていること

U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジで、昨年に続き二度目の来日を果たしたユベントス。予選リーグは3引き分けに終わりましたが、下位トーナメントではバルサアカデミージャパン選抜、サンフレッチェ広島ジュニアを相手に、2連勝で大会を終えました。

イタリアの名門ユベントスでは、育成年代の指導に対し、どのような考え方を持っているのでしょうか? チームを率いるマッシミリアーノ・マルキオ監督(以下マルキオ)に話をうかがいました。
(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)

 


ワールドチャレンジに2年連続出場のユベントスアカデミー(C)新井賢一

 

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■ユベントスのアカデミーにいても全員プロになるわけではない 

――4日間、大会に参加した感想を聞かせてください。

マルキオ 選手たちにとって、とても素晴らしい経験になりました。日本まで来ることは、人生で何度も起こることではありません。今回、来日した選手全員がプロになるわけではない中で、人生経験という意味でも素晴らしい経験ができたと思っています。

チームは8月16日に集まり、数回のトレーニングしかできませんでした。日本まで長時間の飛行機移動があり、コンディション調整も難しい面がありました。彼らにとって、11人制サッカーをするのは初めてなので、日本のチームに比べて準備面で難しく、厳しい戦いになるというのが、去年、そして今年を通じた感想です。

 


初めての11人制と長時間フライトによるコンディション調整に苦戦したが、随所に強さ・上手さを見せたユベントスアカデミー(C)新井賢一

 

――ヨーロッパの人は日本の夏が苦手だと思いますが、実際に体験してみてどうですか?

マルキオ 確かに暑いですが、イタリアもだんだん暑くなってきたので、言い訳にはなりません。実際、35度の気温の中で練習をしてきました。この年代の子達はアジアで試合をするのが初めてなのですが、湿気がありますね。当然、それにも順応しなければいけませんが、これだけ長い飛行機移動は経験したことがないので、その影響はあったのかなと思います。

 

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■日本のチームの技術、戦術、個人のクオリティなどすべてレベルが上がってきている

――日本で多くのチームと対戦しましたが、どのような印象を受けましたか?

マルキオ 技術、戦術、個人のクオリティ、全てのところでレベルが上がってきていると感じました。3位決定戦でヴィッセル神戸の試合を見ましたが、素晴らしいサッカーをしており、しっかりとした準備をしてきたチームだと思います。バルセロナに関しては、クオリティが高く、個々の技術に優れており、どの大会に行っても結果を残す、素晴らしいチームだと思います。

 

■ユベントスのアカデミーとしてU-12年代で大事にしていること


サッカーを通じた人間形成を大切にしていると教えてくれたマルキオ監督(C)新井賢一

 

――ユベントスのアカデミーとして、この年代で大切にしていることは何ですか?

マルキオ サッカーを通じた人間形成を大切にしています。その意味でも、このような海外の大会に参加できることは素晴らしく、積極的に参加したいと思っています。選手にとっては、ピッチ内での振る舞いはもちろん、このような経験を通じて、人として成長していってほしいと願っています。

 

――この年代からトップまで上がることのできる選手の割合はどのぐらいなのでしょうか?

マルキオ 当然、アカデミーからトップチームへの道のりは長く、険しいのですが、ユベントスにはU-23チームがあり、現在は2003年、2004年生まれのアカデミー出身者たちがそこでプレーしています。その面から考えると、徐々に育成が実ってきていると感じています。

 

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