U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2024

2024年9月 2日

ワーチャレベスト4。「止める・蹴る」のイメージが強い川崎フロンターレのU-12が実践する「個の育成」

『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。8月22日に行われたラウンド16で、FCトリアネーロ町田に勝利したのが、川崎フロンターレU-12です。

前半は0-2と劣勢の展開ながら、後半に怒涛の3連続ゴールを奪い、逆転で勝利しました。

試合後、大田和直哉監督とゴールを決めた安永唯人選手に話を聞きました。
(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)

 

親が変われば子どもも変わる!?
サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>

 


前半0-2も後半3点取って勝利した川崎フロンターレU-12 写真:新井賢一

 

<<ワーチャレ記事:東京ヴェルディジュニアが技術で上回るバルセロナの良さを消すためにとった対策

 

■三笘薫選手が好き


11番 安永唯人くん(C)新井賢一

 

11番 安永唯人くん

――得点場面を振り返って、どうですか?

仲間がボールを運んできてくれて、いい感じにパスを出してくれました。コーチからは「前から狙え」と言われていたので、ゴールしか狙っていなくて、思いっきり打ったら入りました。

 

――前半0-2で厳しい展開でしたが、ハーフタイムに指示を受けて、後半はどんなプレーをしようと思っていましたか?

後半はリスク管理をしながら前を狙って、フロンターレらしさを保ちながら、点を決めて勝ちたいと思っていました。

 

――好きな選手は?

三笘薫選手です。誰にも負けないっていうか、切り替えやドリブルが優れていて、速いところが好きです。

 

――得意なプレーは?

カットインです。得点はカットインじゃなかったですけど、ターンしてシュートを打ちました。

 

親が変われば子どもも変わる!?
サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>

 

■前半0-2からの逆転、彼らはすごいなと思いながら見ていた

続いて監督に試合を振り返ってもらいました。 


大田和直哉監督 写真:新井賢一

大田和直哉監督

――0-2からハーフタイムでガラッと変わり、3-2で逆転勝利しました。試合を振り返っていかがですか?

前半は我々らしい試合ができていませんでした。(試合の間隔が空き)6時間ほど室内で過ごしていたため、足が動かない状況でした。ただ、後半は20分あったので、0-2までなら逆転できると考えていました。ハーフタイムに喝を入れたところ、目の色を変えて、全く違うチームになったので、やっぱり彼らはすごいなと思いながら見ていました。

 

――相手のトリアネーロ町田も強豪で、過去に対戦経験もあると思います。この試合に向けて、どんな準備をしたのでしょうか?

大会前に練習試合を行ったのですが、相手チームのメンバーが変わっていた印象を受け、少し戸惑いはありました。しかし、それ以上に我々のチームが最初うまくプレーできなかったことが課題でした。

 

――今大会の狙いや課題、目標などは?

子どもたちには「バルセロナと対戦したい」という思いがあったのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。(注・バルセロナはラウンド16で敗退)。ただ、次の中国チームとの試合など、日本では経験できないような相手との試合を通じて、彼らが何をできるかを見たいと思います。

 

 

■フロンターレは「止める・蹴る」のイメージが強いが......


川崎フロンターレでは個人の技術向上に力を入れているそう 写真:新井賢一

 

――フロンターレのジュニアは、個人の技術向上を目指して、ボールを扱うトレーニングの割合が多いと聞いています。

フロンターレは「止める・蹴る」のイメージが強いですが、ジュニアではそこはあまり行わず、ドリブルやリフティングなどを取り入れ、ボールを持つ技術など、個人の技術向上に力を入れています。

私は昨年からU-12を担当していますが、三笘薫選手や板倉滉選手を指導していた、玉置(晴一)コーチの教えを受け継いでいます。僕は彼を師匠だと思っているので、それを取り入れてというか、その指導方針がフロンターレらしさだと思っています。個人技はジュニア時代にやることで、十分に身につけられると思っているので、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。

 

――玉置コーチは現在U-18のコーチですが、U-12からU-18まで一貫して技術を重視しつつ、学年が上がるにつれて、チームとしての力も伸ばしていく方針なのでしょうか?

そうですね。U-18の監督である長橋(康弘)も、コーチの玉置、佐原(秀樹)も、ジュニアでの指導経験があります。クラブ全体として、個人の能力をより高めたいという思いがあるので、ジュニアに関しては勝ち負けよりも、個人の育成に重点を置いています。

 

――成果はいかがですか?

まだまだです。この年代の基準というよりも、フロンターレの基準で比べると、正直なところまだまだだと感じています。

 

■三笘選手や高井選手など「こうなりたい」目指すべき選手像が明確にある

――三笘選手や高井幸大選手のように、アカデミー出身の選手が活躍していることは、ジュニアの選手にとって、どのような影響がありますか?

「自分はこうなりたい!」と、目指すべき選手像が明確にあるのは大きいですよね。高井選手のようなディフェンダー、脇坂泰斗選手のような中盤の選手、少しタイプの違う山田新選手など、いろいろな選手が出てきています。各ポジションの選手が、それぞれ「自分はこの選手のようになりたい」と言いながら練習に励んでいます。

 

――最後に、フロンターレらしさとは、どのようなものだとお考えですか?

攻撃的で、見ている人をワクワクさせるサッカーだと思います。今回の試合も後半で3点取れたように、次の強豪相手に対しても、ボールを保持しながらプレーできることを示したいです。(注・続く中国戦は0-0からのPK戦で勝利した)

 

ワールドチャレンジ2024の結果はこちら>>

1

関連記事

関連記事一覧へ