U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2024

2024年8月28日

ワーチャレ準優勝。大会を通じて柏レイソルU-12が見せた攻撃的スタイルの本質

8月23日に行われた『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』決勝戦。柏レイソルU-12は、バディーサッカークラブに0対4で敗れました。

優勝はなりませんでしたが、大会を通じて、高い技術を生かした攻撃的なサッカーを披露。強烈なインパクトを残しました。

決勝戦終了後、張ヶ谷知樹監督と高いテクニックで存在感を放った井出翼選手、キャプテンで守備の要・奥村翔依選手に話を聞きました。
(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)

 

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ワールドチャレンジ2024決勝進出した柏レイソルU-12の選手たち 写真:新井賢一

 

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■試合の入りがすべてだった


張ヶ谷知樹 監督(C)新井賢一

 

張ヶ谷知樹 監督

――決勝戦の感想をお願いします。

試合の入りがすべてというゲームでした。バディーさんが前から来る中で、僕らはそれを剥がしていこうという話をしていました。ゲームの入りは、流れをつかむために大きなプレーや相手の矢印を折るプレーが必要です。そこまで見えてプレーできていたかが、勝負の肝だったと思います。

 

――立ち上がりに連続失点したことは、過去にこのチームではあったのでしょうか?

今大会の初戦で、中国のチームに持っていかれたシーンはありました。ミスが重なってしまったこともあり、ゲームの入りについては、流れをつかむ意味でも、もう一度みんなで意思を合わせていく必要があると感じています。

 

――優勝はできませんでしたが、とても良いチームでしたね。

選手たちには、この大会に対する強い想いがありました。彼らは普段積み上げているものを、このような大きな舞台で発揮するために、日々トレーニングをしています。それをもっと表現したかったのですが、悔しい結果になってしまったので、次に生かしたいです。

 

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■レイソルのアカデミーでサッカーの本質を教わった

――今、監督になられて何年目ですか?

U-12は去年から担当していて、6年生自体は2年目です。それ以前はU-11や10などのジュニアカテゴリーを見ていました。指導者としては6年目です。

 

――28歳と若くして、名門のジュニアで監督をするプレッシャーもあるのではないかと想像しますが、そのあたりについては?

いやぁ、そうですね。僕もアカデミー出身で、このクラブで育ち、クラブに対する愛があります。このクラブがどういう選手を育てたいかというのを、僕自身も教えてもらってきたので、それを選手たちに伝えたいと思って指導しています。

 

――現役時代はテクニシャン系だったんですか?

ボールを大事にプレーするタイプで、レイソル以外では活躍できなかったと思います。あ、別に活躍はしていませんが(笑)。僕はレイソルのサッカーが好きで、アカデミーでサッカーを教えてもらいました。サッカーの本質というか、今僕が大事にしているものは、レイソルで培ったものです。

 

 

■ボールと自分の関係だけでなく、オフ同士の繋がりを大事にしている


育成年代では、攻守において主導権を握り、ボールトスペースを支配することを大事にしている 写真:新井賢一

 

――レイソルの育成哲学は、どのようなことでしょうか?

攻守において主導権を握り、ボールとスペースを支配するところは、どのカテゴリーでも大事にしています。ただ、カテゴリーによって獲得しやすいものや、その時期に獲得してほしいものもあります。それも踏まえて、学年ごとに少しずつ異なるものにフォーカスしている形です。

 

――U-12年代で大切に指導していることは?

U-12では、ボールを持っていない選手同士が繋がってプレーすることと、個人で相手を剥がしていくことを重視しています。11人制が始まるこの年代では、ジュニアユースに繋がることを考え、複数の選手と協力して、グループで相手を剥がしていくことが大切です。ボールと自分の関係だけでなく、ボールを持っていない選手同士の関係がとても重要になるので、オフ同士の繋がりを特に大事にしています。

 

――その部分に関して、準決勝の川崎フロンターレU-12戦(3対0で勝利)では、表現できたのではないでしょうか?

そうですね。うまく噛み合って、選手同士もいい距離感でプレーできたと思います。決勝戦でも、後半にそのようなシーンが何回か見られました。ただ、ゲーム状況を考えると、より前に行かないといけないこともあり、そのバランスが難しいところでしたね。

 

■ゲーム状況を理解してプレーすることが大切

――決勝は悔しい敗戦でしたが、選手たちには、次にどう活かしてほしいですか?

決勝戦に関して言えば、ゲームの流れを読むこと、ゲーム状況を理解してプレーすることが本当に大切だと感じました。これは、今後彼らがサッカー選手として生きていく上で、非常に重要なことだと思います。

今大会は普段の8人制から11人制に移行したことで、繋がる選手が増えたり、ピッチの大きさが広くなりました。彼らは将来、11人制でサッカーをしていくので、この段階で得たものを大切にしてほしいです。12月までは8人制が続きますが、この大会で感じたことを、個人個人に合わせてアプローチし、彼らの成長に活かしていけたらと思っています。

 

■後半は自分たちのペースでボールを握れた

試合後、選手たちに話を聞きました。

インタビューを受けてくれたのは奥村翔依くん(4番)、井出翼くん(10番)。

 


4番 奥村翔依くん 写真:新井賢一

 

4番 奥村翔依くん

――決勝戦の感想を聞かせてください。

2位という悔しい結果になってしまいました。自分たちの入りが悪くて、そこから流れも悪くなりましたが、後半は自分たちのペースでボールを握れていたので、そこは今後に繋がるかなと思います。

 

――普段、どんなことを心がけてプレーしていますか?

自分はバックなので、プレッシャーがかかる中でも、丁寧にプレーすることと、チームを引っ張っていくことを意識しています。

 

――自分の特徴や得意なプレーは何ですか?

対人や空中戦の対応です。

 

――将来の夢を教えてください。

プロサッカー選手になって、日本代表で活躍できるようになりたいです。

 

■みんなで努力して、次の大会に生かしたい


10番 井出翼くん 写真:新井賢一

 

10番 井出翼くん

――決勝戦の感想を聞かせてください。

前半の入りでセカンドボールなどが拾えず、気持ちから負けていました。それが試合の結果に出たと思います。後半は押していましたが、決めきれないところが今後の課題です。みんなで努力して、次の大会やこれからに生かしていきたいです。

 

――準決勝では2点決めて、2つとも素晴らしいゴールでした。

1点目は仲間から良いボールが来たので、コースを狙ってシュートを打つだけでした。2点目は、誰かが相手を引きつけてくれたのか、ドリブルのコースが空いたので、そこに入っていきました。シュートコースが見えたので、打ったら入りました。

 

――テクニシャンですが、どのようなことを考えてプレーしていますか?

目指しているのはゴールなので、常にゴールを見ながらプレーしています。ゴールの素振りを見せると、相手を引きつけることができて、仲間が空いたり、相手が来なかったらシュートを打ったりします。得意なプレーはドリブルやトラップです。

 

――将来の夢と好きな選手を教えてください。

将来の夢は日本代表に入って、ワールドカップで優勝することです。好きな選手は、メッシ選手です。

 

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