中村憲剛の「KENGOアカデミー」

2021年11月29日

どんなスタイルのチームでも信頼される選手に。中村憲剛の「止める・蹴る」の基準を学ぶ方法

川崎フロンターレ時代にJ1リーグで3度優勝し、2016年にはJリーグ最優秀選手に選ばれるなど、多くのサポーターを魅了してきた中村憲剛さん。引退後は育成に携わるとともに、KENGO Academy Schoolを通じて、中学生の指導にあたっています。

今回はKENGO Academy Schoolのコーチとして、もっとも近くで「中村憲剛メソッド」を体感してきた明田川翔太コーチに、中村憲剛さんが指導で大事にしていることをうかがいました。DVD「KENGO Academy~サッカーがうまくなる 45 のアイデア~」にも収録されている、プレー上達のヒントを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。(取材・文:鈴木智之/写真:KENGO Academy School)

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■ピッチ上の監督のような存在になれる選手を育てたい

明田川コーチによると、KENGO Academy で大事にしているのが「子どもたち自身で考えてプレーできるようになること」だそうです。


選手のアイデアや能力を引き出す指導を行っている

「中村憲剛さんが大事にしているのが、自己解決能力に優れた選手を育てることです。言わば、『ピッチ上の監督のような存在になれる選手を育てたい』という理想がKENGO Academy にはあります。そのためスクールでは、教えることに加えて、選手の能力を引き出すこと、選手の考えやアイデアを促進していくことを大切に指導にあたっています」

KENGO Academy School はスクールのため、普段、子どもたちはそれぞれ別のチームに所属しています。それを踏まえて、スクールでは「どんなスタイルのチーム、監督、仲間にも信頼され、重宝される選手になることを目標に取り組んでいます」と語ります。

■止める・蹴るのレベルを上げると選手の個性が発揮される

KENGO Academy の指導のベースにあるのが、中村憲剛さんの代名詞でもある「止める」「蹴る」です。明田川コーチは言います。

「ボールを奪われない、ボールを奪うことができる。この2つを備えている選手は、どんなチーム、監督にも信頼されます。『止める・蹴る』は、そのすべてのベースになるものです。ベースが上がれば上がるほど、その選手の個性をより発揮できるようになるので、僕たち指導者、そして子どもたち自身も強いこだわりをもって取り組んでいます。」

それを踏まえた上で、明田川コーチは「『止める・蹴る』で終わりではなく、ボールを一回でしっかり止めることによるメリットと、思ったところにしっかり蹴れることが、いかにゲームに影響を与えるのか、その重要性を理解することが大事になります。」と説明します。

「『止める』ことに関して、子どもたちには『最短で次のプレーに移ることができる状態をつくろう』と伝えています。そのためには、イメージした位置にボールを一回で止めることが大切です。対面パスの練習にしても、コーチだけでなく、子どもたち自身で『いまはしっかり止まっていた』『止まっていなかった』とジャッジしています


対面パスのトレーニングを行うKENGO Academy Schoolの選手たち

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さらに、こう続けます。

僕たち指導者が、『止まっているとはこういう状態』と基準を示すことで、子どもたちはそれに近づこうと、どんどんこだわっていきます。それは『蹴る』についても同じで、例えば、『止める・蹴る』の先には、次の選手の『止める』が待っています。そう考えると、浮き球よりもグラウンダーのボールのほうが、パスを受ける味方はコントロールしやすいですよね。そういったボールの質にこだわることの大切さは、常に伝え続けています

■映像で学ぶことでプレーの引き出しを増やすことができる

DVD「KENGO Academy~サッカーがうまくなる 45 のアイデア~」には、トラップの基本技術、トラップの応用技術、キックの基本技術、プレービジョンが収録されています。

明田川コーチは「DVDを見ることで、考え方が整理されますし、プレーの基準が提示されているので、それを元に『いまのプレーはどうだったのか』を考えることができます。僕も見返しますが、参考になることがたくさんあります」と笑顔を見せます。

DVDには技術面のほかに「相手とどう駆け引きすれば、自分にとって有利な状況を作り出すことができるのか」といったゲームメイクについても、中村憲剛さんが再現し、解説した映像が収録されています。


DVD「KENGO Academy~サッカーがうまくなる45のアイデア~」より

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明田川コーチによると、現役時代の中村憲剛さんは、試合の日の夜に映像を見て、自分のプレーを振り返っていたそうです。

「映像を見ることで、例えば『この場面では、右が空いていたのに、なぜ気づかなかったのだろう』と感じると、次の機会でその記憶がプレーのひらめきにつながります。そのようにしてイメージを広げ、プレーの引き出しを増やすことは、より良い選手になるために、欠かすことのできないものだと思います」

KENGO Academy では「中村憲剛さんが積み重ねてきた考え方、信じてきたものを子どもたちに伝えている」と、明田川コーチは言います。距離や時間の問題でスクールに通うことができなかったとしても、DVDを見ることでそのエッセンスを十分に感じ取ることはできそうです。

明田川コーチは「プレーをレベルアップさせたい。基準を上げていきたい。そう思っている選手にとって、子どもたちから大人の方々まで、DVDを見ることで学べることがたくさんあると思います」と太鼓判を押してくれました。


今回お話を伺ったKENGO Academy Schoolの明田川翔太コーチ

中村憲剛さんの考え方、プレーのアイデア。そして「止める・蹴る」の具体的なポイントを知りたい方は、DVD「KENGO Academy~サッカーがうまくなる45のアイデア~」を見て参考にしてみてはいかがでしょうか。きっと、ワンランク上の選手になるためのヒントが見つかることでしょう!

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