「バルサに入る!」息子の夢に寄り添うサポート―久保建史
2012年6月27日
【第2回】『バルサに入る!』夢をかなえるために、日常生活で気をつけていた事とは?―久保建史
弱冠9歳にして、スペインのFCバルセロナ(通称バルサ)の下部組織「カンテラ」と契約を交わした久保建英くん。原則13歳からしか受け入れない組織が、特に彼を評価したのが技術と精神力だそうです。彼の父である久保建史さんは、普段の生活において何に気を付けていたのか?第2回も大変興味深い内容をお届けします。
――毎朝、公園で一緒にボールを蹴りながらコミュニケーションをとっていたそうですが、どのような話をしていたのですか?
「昨日、なにがあった?」「だれと遊んだ?」「楽しかった?」「つらいことあった?」など、いろんな話をしました。どんなことでもいいので、回答が返ってくると、さらに質問をしました。これは、考えて話す習慣をつけてほしいと思っていたからです。そのときは、親と子の上下関係というよりは、同じ目線で聞くようにしていました。
―毎朝ふたりで練習をして、それ以外はどこでサッカーをしていたのですか?
幼稚園のときは、年少で入ることのできるスクールを探して、ほかの子どもたちと一緒にボールを蹴っていました。ただ、同じ学年どころか、幼稚園生でスクールに入っている子が少なかったので、小学校1年生や2年生に混じってプレーすることになりました。基礎練習は私と一緒にやっていたこともあり、ある程度はついていくこともできましたが、ミニゲームになると、周囲の子のスピードについていくことができず、ボールに触ることができないことが続きました。サッカーが嫌になるのでは、と心配でしたが、実際には一度も嫌だとは言いませんでしたね。
―外遊びや日常生活で気をつけていたことは?
外で遊ぶときは靴と靴下を脱ぎ、はだしで遊ばせる機会を多くしました。足の裏は健康のバロメーターでもありますし、足裏の感覚を養うには、はだしが役に立ったと思っています。ただし、ケガをする心配もありますし、靴と家の中が汚れるので、妻は大変だったと思います。それでもいいという人にはやってみる価値はあると思います。それと、なるべくベビーカーを使わず、歩かせることもしていました。
サッカーだけでなく、川遊びも大好きな建英くん
―サッカーを始めた頃は、どのようなことを心がけて、一緒に練習していたのでしょうか?
最初は、サッカーを好きになってほしいと考えました。そのためには、うまくなることが一番です。うまくできて、ほめられれば、楽しいと感じるものです。サッカーを始めた2歳の頃は、複数の相手がいたり、サッカーの試合に近い形で学ぶことは難しいので、親子でできるドリル形式の練習をおもにやっていました。具体的には、ボールを『運ぶこと』と『止めること』です。
―詳細な練習メニューは本書に譲るとして、3、4歳の子を、どうやって取り組ませていったのでしょうか?
その頃はボールタッチやコーンドリブル、ワンバウンドリフティング、コーン当て、シュート、転がってきたボールを止める、浮き球のコントロール、ステップワークなどをやっていたのですが、言葉でやり方を伝えるのは難しいので、まずは見本を見せていました。それぞれの練習の難易度は異なりますが、少し練習すればサッカー経験のない大人でもできます。大人が見本を見せることで、子どもの取り組む態度は変わってくると思います。それに、子どもがやっていること、やろうとしていることに理解を深めるためには、親もやってみるほうがいいと思います。なかなか、イメージ通りにはできませんからね。
―久保さんは高校、大学とサッカーをしていたそうですが、そのときの経験はどの程度、役に立っていると感じていますか?
私は高校・大学とサッカーをしていましたが、決してトップレベルの選手ではありませんでした。建英がサッカーを始めた最初の頃は、自分の経験をもとに教えていたのですが、小学校に入学する頃には、教えることがなくなってしまったんです。それじゃあサッカーの勉強をしようと考え、映像を見たり、本を読んだりして、18歳でプロになるために、6歳からの12年間でなにを身につけなければいけないかを考えました。不思議なもので、自分がプレーしていたときは、サッカーについてそれほど深く考えたことはなかったのですが、建英に付き合うようになってから様々な情報を集め、一緒に練習をすることを楽しむようになっていったんです。
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【久保建史さんの著書紹介】
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