ボランティアコーチお助け隊
2016年7月 8日
8歳以下のサッカー少年の特徴とトレーニングの質が高まる4つのコツ
こんばんは。ボランティアコーチお助け隊の高峯弘樹(シンキングサッカースクール&サカイクキャンプヘッドコーチ)です。今回は、当スクールで実際に行っているトレーニングの様子を見ながら、年代ごとの子どもの特徴、またトレーニングに対する考え方などをお話していきたいと思います。今回のテーマは『8歳以下のサッカー少年との接し方』です。この年齢の子を指導するうえで大切なことは、とくに精神的な特徴を知っておくことです。具体的にどんな特徴を持っているか、みなさんはご存知ですか?(企画・構成 木之下潤)
■8歳以下の子どもとうまく接するコツ1/競争意識を刺激してあげよう
まず、この年代の子どもは“競争が大好き”です。
たとえば、練習の説明をしたいから「集合!」と号令をかけても、子どもたちがなかなか集まってくれない経験をしたことがありませんか? 8歳以下の子どもに「あれしろ」「これしろ」と一生懸命に言葉を発したとしても通じません。
そういうときは、競争の原理を利用してあげましょう。
「じゃあ、ゴールの中にあるボールを持って集合。誰が一番早いかな?」。
その一言を加えるだけで、子どもたちのほうから喜んでボールを持ち、一生懸命に自分の前に集まります。
コーチが「やらせよう」と懸命になるほど8歳以下の子どもたちは退屈してしまうんです。集合できないからと説明したところで理解できません。大人だってくどくど言われたら退屈するのに、この年齢の子が聞くわけがありません。それを求めることがそもそも間違いなんです。
ほかにも、練習の説明をしている途中に「それ、知ってるよ」とか、ちょっと周囲の子どもたちよりも優越感に浸りたい子がいることはありませんか?
■8歳以下の子どもとうまく接するコツ2/トレーニングの説明は簡潔に!話を聞いていない子は見て見ぬフリ
一人の子が「そういうルール、もう飽きたよ」(27秒前後)と言うシーンが見られます。しかし、うちのスクールのコーチはそれを相手にせず、トレーニングの説明をつづけて「よーい、鬼ごっこ始め!」とスタートしています。すると、発言した子は一目散に逃げ回ります。
これも“競争の原理”を使っています。
編集部にも「子どもたちがなかなかいうことを聞いてくれません。どうしたらいいですか?」といったメールが届きますが、8歳以下の子どもたちにこちらが指定したことを“やらせよう”としたり“聞いてもらおう”とする、先生と生徒のような関係を求めてはいけません。まだ理解できないのですから。映像を最後まで見ていただけたらわかりますが、ごねていた子ほど、そのときの気持ちを忘れ、真っ先に楽しんで練習を始め、走り回っています。
もし話を聞いていない子がいたとしても見て見ぬフリをして練習をスタートしてください。体を動かす中で「そんなルールだっけ?」とか、「◯◯見てごらん」とか、答えを与えずに問いかけたら勝手に周囲を見渡して練習の正解を体で表現します。
そもそも説明が聞けない年齢だということを理解してあげましょう。「よーし、今度はこんな練習をやろう。ルールは1○○、2○○。よーい、スタート!」ぐらいに収めないと、話を聞けるはずもありません。
退屈すれば、周囲の友達と遊び始めるのは当たり前なんです。それは子どもの責任ではなく、あなたが8歳以下の子どもたちの特徴を知らないことに責任があるんです。
■8歳以下の子どもとうまく接するコツ3/「○○しろ」ではなく、楽しくなるスイッチを押してあげよう
身体的な側面でいえば、8歳以下の子どものうちからボールフィーリングを磨くことがとても大事になります。だから、一人一個ボールを持ってメインの練習をすることが重要になります。
この練習は「ドリブル 鬼ごっこ」です。
だらけてきたら「もう時間ないよ」とか、「後ろから鬼が来る」とか少しあおるような言葉を投げかけて『楽しくなるスイッチ』を押してあげるんです。「◯◯しろ」っていうと、彼らが主役なのにやらされている感じがしてやる気を損ねてしまいます。言葉の投げかけ方をちょっと工夫するだけで、子どもたちの心の中での受け取り方がまるで違うものになります。
「さあ、やるぞ!」とか、「よーい、ドン!」とか、できるだけ自由な雰囲気を作ります。私は、この年代の子どもたちに対して、すべてをキッチリやるように求めなくてもいいと考えています。「人の話はちゃんと座って静かに聞きなさい」。そんなことは絶対に言いません。
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