ボランティアコーチお助け隊
2016年7月22日
8歳以下とはここがちがう!12歳以下のサッカー少年3つの特徴とトレーニングの質が高まるコツ
こんばんは。ボランティアコーチお助け隊の高峯弘樹(シンキングサッカースクール&サカイクキャンプヘッドコーチ)です。今回は、当スクールで実際に行っているトレーニングの様子を見ながら、年代ごとの子どもの特徴、またトレーニングに対する考え方などをお話していきたいと思います。今回のテーマは『12歳以下のサッカー少年との接し方』です。8歳以下の子どもの特徴とどう違うのか、比べながらトレーニングのオーガナイズなどについてお話していきたいと思います。前回記事と合わせてお読みください。(企画・構成 木之下潤)
<<8歳以下のサッカー少年の特徴とトレーニングの質が高まる4つのコツ
■8歳以下とはここが違う!12歳の子どもの特徴1/コーチの話をしっかり聞けるようになる
12歳以下の特徴として、人の話に耳が傾けられるようになることが挙げられます。Uー8と違い、コーチの指示を理解して、それに応じた行動がとれるようになります。
「集合」
「よし、座って話を聞こう」。
これだけで十分に伝わります。だから、これまで以上にトレーニングの意味をしっかりと考えさせることに時間を割けます。
その際、大切なのは「子どもたち自身に考えさせる」ことです。映像の中で、私はうまくトレーニングをした選手に「どんな作戦を立てたの?」とたずねました。ここが重要なポイントです。
彼らの答えは友達の意見だから、コーチの答えよりも心に響くのです。なぜなら、自分たちにもっとも近い存在だからです。コーチが口にしたことは、大人の意見だからと言い訳ができます。しかし、同年代の意見は言い訳に使えないし、何より「負けたくない」という競争心理が働き、「次、オレはこうやってみよう」と別の方法を自然に発想します。ここが上達するための秘訣です。
付け加えると、映像の1分5秒前後にひとりの選手が「パートナーを変えていい?」と、私に提案してきます。これは自らで考えている証拠であり、自主性を育むいい機会になるので、練習の妨げにならなければその提案を受け入れてトレーニングを進めるようにしましょう。
■8歳以下とはここが違う!12歳の子どもの特徴2/準備や片づけができるようになる
この年代の子どもたちの練習では、コーチがトレーニングの準備や片付けをすることはありません。試合でピッチに立てば、大人の力を借りることができないのに、練習ではコーチが一生懸命に汗を流して準備や片付けを行っている。おかしくはありませんか?
そもそもUー8と違い、12歳以下の子どもは人の話を理解できるようになっているから、コーチの役割はサッカーを指導することに比重が高くなっているし、子どもたち自身もよりうまくなりたいからサッカーの指導を望んでいます。
先ほども触れましたが、「自主性」はサッカーをプレーするうえで欠かせない要素です。それはトレーニングだけで培うものではなく、それ以外のところ、そして日常生活の中から身につけていくものです。
たとえば、片付ける時間なのにやらない子がいます。そういう場合、どうすればいいと思いますか?
片付ける子を褒めてあげるのです。「〇〇、ありがとう」。そうすれば、褒められたいから「自分も」と動きます。そして、全員で片付け終わったら「ありがとう」と、必ずみんなに感謝の気持ちを伝えてあげるといいでしょう。
次に、「3グループに分かれて、それぞれ違う色のビブスを着て集合しよう」(1分15秒前後)と指示を出します。すると、自然に仕切る子、フォローする子などが現れ、指示通りに集合します。特に、私は何も言っていません。
サッカーは子どもたちのもの。練習も子どもたちのもの。練習時間は決まっているので、たくさんボールを触ったり、トレーニングがしたければ、時間を短縮するのは準備や片付けです。そこに時間を費やすほど、損をするのは子どもたちなんです。
コーチがこれを当然のルールとして行動していれば、選手たちも必然的にそうします。12歳以下の子どもはできるけど、当然、Uー8年代は難しい。でも、長い目を持って少しずつ自主的にやれるようになるよう、導いてあげたらいいのです。焦らずにじっくりと子どもたちと向き合いましょう。
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