子どもが心からサッカーを楽しむための「サカイク10か条」
2017年4月17日
子どもを「勝たせたい」「うまくさせたい」よりも先に、大切にしてほしい"10の心得"
4月になり、お子さんがサッカーをはじめたという方も多いでしょう。もしかしたら「この子は才能があるかもしれない!」「うまくなって高いレベルでプレーしてほしい」と期待をかける親御さんもいらっしゃるかもしれません。
特に親御さん自身が、サッカーなどのスポーツ経験者であれば、「勝たせたい」「うまくさせたい」という思いも強いでしょう。しかし、小学生など育成年代においては、結果よりも先に大切にしてほしいことがあります。(文・サカイク編集部)
■「結果が大事ではない」という意味ではない
よくこういう話をすると、「結果も大事だ」という方がいらっしゃいます。もちろん結果も大事です。サッカーはゲームです。相手より1点でも多くゴールを奪い、勝つことが目的なのですから当然です。
しかし、その前にプレーする子ども自身が、サッカーの面白さや楽しさ、プレーする喜びを感じることが大切なのです。
それを知る前に、結果ばかりを要求されると、子どもたちはサッカーから心が離れていってしまいます。プレーするのは子ども自身。まずは、子どもたちが心からサッカーを楽しめるよう、親がサポートしてあげることが大切です。
そのために、親はどうサポートすればよいのか? サカイクが導き出したひとつの結論が「サカイク10か条」です。子どものサッカーに関わるお父さん、お母さんに大切にしてほしい親の心得を10か条にまとめました。ぜひ一度読んでみてください。
この連載では、サカイク10か条をテーマに、さらに深く親の関わり方について、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。
子どもが心からサッカーを楽しむための「サカイク10か条」1.子どもがサッカーを楽しむことを最優先に考えよう2.今日の結果ではなく、子どもの未来に目を向けよう3.子どもの力を信じて、先回りせずに見守ろう4.子どもは小さな大人ではないことを理解しよう5.コーチやクラブの考えを聞いてみよう6.ダメ出しや指示ではなく、ポジティブな応援をしよう7.あなたが子どもの良いお手本になろう8.子どもの健康や安全に気を配ろう9.サッカー以外のことを大切にしよう10.笑顔で子どもとサッカーを楽しもう
1.子どもがサッカーを楽しむことを最優先に考えよう
サッカーは自由なスポーツ。子どもにとって一番楽しいのは、自分で考えてプレーすることです。誰かにやらされるのではなく、自分で考えチャレンジすることで子どもは成長します。
プレーするのは、あなたではなく子ども自身。
サッカーが楽しくなれば、子どもは言われなくても一生懸命にプレーします。勝ち負けも大事ですが、それ以上に子どもが自分で考えサッカーを楽しむことが大事。あなたはそれを見守りサポートしてあげましょう。
2.今日の結果ではなく、子どもの未来に目を向けよう
子どもが自分で考えてプレーすること、そして挑戦し失敗することが子どもの成長の糧になります。良いコーチは結果だけに一喜一憂するのではなく、子どもたちの未来を見据えて指導しています。今日の結果は、あなたが思うほど重要ではありません。
試合後、あなたは「勝ったの?」「何点取った?」ではなく「今日も楽しかった?」と声をかけてあげましょう。そして、どんなことがあったのか子どもの声に耳を傾けてください。
3.子どもの力を信じて、先回りせずに見守ろう
荷物の準備や片付けなど、親は子どもが失敗しないようにいろいろと先回りしてしまいます。でも、子どもは失敗から学ぶことも多いのです。大人が先回りすることで子どもの成長する機会は失われてしまいます。失敗を恐れず子どもに任せてみましょう。
サッカーは自分で考えてプレーするスポーツです。主体性を育むことがサッカーにも良い影響を与えます。我慢が必要ですが、少し離れたところから子どもの力を信じて見守りましょう。
4.子どもは小さな大人ではないことを理解しよう
学校で教える算数と同じように、サッカーの指導も子どもの発達年代に応じたアプローチが必要になります。大人と同じようにサッカーを理解することはできませんし、同じようなプレーもできません。
少しずつ成長に合わせてサッカーを理解し、学んでいくことが必要なのです。また子どもの成長スピードは十人十色。焦らず、多くを求めず、長い目で子どもの成長を見守ってあげましょう。
5.コーチやクラブの考えを聞いてみよう
基本的にサッカーの指導はコーチに任せましょう。しかし、子どもの起用法や指導方針など、コーチやクラブに対して疑問や不安があれば、まずはコミュニケーションをとってみましょう。
コーチは様々なことを考え指導にあたっています。いきなり否定するのではなく、そうした理由や改善のアドバイスを聞いてみましょう。また、子ども本人が納得していないなら、子どもにコーチと話をさせましょう。
6.ダメ出しや指示ではなく、ポジティブな応援をしよう
子どもがミスをした時に「何やってんだ!」と思う気持ちは分かります。でも、それはプレーしている子どもが一番分かっていることです。ダメ出しばかりしていると子どもはチャレンジをやめてしまいます。
また、試合中の指示はコーチの役割です。あなたがされて嬉しいのはどんな応援でしょう?あなたの役割はプレーのアドバイスではなく子どもが楽しむ環境を作ることです。子どもがチャレンジしたことを褒め、励ましてあげましょう。
7.あなたが子どもの良いお手本になろう
子は親の鏡と言いますが、子どもは親の態度や行動を見てマネします。「審判に暴言を吐く」「相手やチームメイトをののしる」「暴言や暴力をふるう」など、こうした行為は大人も子どもも許されるものではありません。
ついつい感情的になってしまうこともあるかもしれませんが、あなたの子どもだけでなく、サッカーに関わる全ての人たちに敬意を払い、子どものお手本となるように心がけましょう。
8.子どもの健康や安全に気を配ろう
大好きなサッカーも健康でなくてはプレーできません。スポーツにケガや事故はつきものですが、子どもの安全を守るのは大人の役割です。
プレーのことだけではなく疲労やケガに関する知識、熱中症や脳震盪、救命処置など安全に関する知識も最低限身につけておきましょう。子どもたちを見守りながらも、しっかりと安全確保に気を配ることが大切です。
9.サッカー以外のことを大切にしよう
小学生年代は多くのことを吸収し学ぶ大切な時期です。低年齢から特定の競技に特化し、早期専門化することは必ずしも良いことばかりではありません。最近では毎日がサッカー漬けで疲れ、サッカーが楽しくなくなってしまう子どもも増えているようです。
人生はサッカー一筋である必要はありません。家族や友達との時間、学校のことも大事にしましょう。そして、あなた自身も自分の時間を大切にし人生を楽しんでください。
10.笑顔で子どもとサッカーを楽しもう
クラブの係や土日の送迎、人間関係など、親にとって大変なことが多いのも確かです。しかし、それをあなたがイヤイヤやっていたり、文句ばかり言っていたら子どもはサッカーを心から楽しめるでしょうか?
あなたがサポートしているのは自分の子どもだけではありません。周りの子の成長にも目を向け、クラブや子どものサッカーに関わることを、あなた自身が楽しんでください。あなたが笑顔なら、子どもも笑顔でサッカーを楽しめるはずです。
■サカイク10か条をダウンロードできます!
こちらのページから、サカイク10か条をプリントアウトできるPDFがダウンロードできます。
コピーしてチームや大会などで配布していただいても構いません。もちろんページをシェアしていただくことも大歓迎です。
また、この考えはサッカーだけではなく、他競技でも共通するものだと思います。ぜひ、他のスポーツに関わってらっしゃる方にもシェアしてください。
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