親子で学ぶサッカー世界図鑑 イングランド編
2022年5月10日
最初は「危険な祭り」だった? サッカーの母国イングランドの歴史から紐解く「紳士のスポーツ」としてのサッカーの起源
サッカーを通して世界の国々の歴史や文化を学んでみませんか? サッカー(フットボール)がいつどこで始まったのか、世界に広がったサッカーの起源や歴史を知る。
そのきっかけとなるのが、『親子で学ぶサッカー世界図鑑 』シリーズです。子どもたちが大好きなサッカーに日々触れている中で出てくる「なぜ?」を調べてみると、実はそこからさまざまな"学び"を得ることができます。
今回は『親子で学ぶサッカー世界図鑑 イングランド編』から、「サッカーの起源」について抜粋して紹介します。
<目次>
1.サッカーはいつどこで生まれたか
2.大昔から世界各地で「蹴る」文化があった
3.手を使うのは禁止!危険なプレーは反則
4.手を使っちゃいけないなんてつまらない! そうして生まれたスポーツ
<<大好きなサッカーを通しての学習だから自然に覚える「サッカー世界図鑑」
■1.サッカーはいつどこで生まれたか知っている?
みんなが大好きな「サッカー」。このスポーツがいつ、どこで生まれたか知っていますか?
近代サッカーは、1863年にイングランドで生まれました。
その起源はもっともっと大昔、いまから1000年以上前の8世紀。当時のイングランドでは、戦争に勝つと的将軍の首を切り取って蹴り合い、勝利を祝う風習があったそうです。
それがやがて大衆へと広がり、首に見立てた球体を蹴って決められた時点まで運ぶ「祭り」になり、「遊び」になり、「フットボール」と呼ばれるようになりました。
地域によっては、手を使うことも許されていました。
そんな当時のフットボールは、ときに死人がでるほど荒っぽいもので、あまりの激しさに国がフットボール禁止令を出したこともあったそうです。
■2.大昔から世界各地で「蹴る」文化があった
世界各地の遺跡で、丸いボール状のものを蹴る壁画が見つかるほど、人間は大昔から、蹴って遊んだり、競うことが大好きだったようです。
そのひとつが、中国や日本でもおこなわれていた「蹴鞠」で、FIFA(国際サッカー連盟)のホームページでは、「最も古い形態のサッカー」として紀元前1世紀頃の中国の蹴鞠を紹介しています。
■3.手を使うのは禁止!危険なプレーは反則
1863年、現代サッカーの誕生
乱暴で危険なフットボールは、やがて「大学同士の対抗戦」「卒業生クラブによる試合」としても大人気になりました。
当時の大学に通うことができたのは、裕福な上流階級の人たちです。彼らは地域ごと、学校ごとにバラバラだったルールをひとつにしようと話し合いを重ね、1863年に「フットボール協会」と「統一ルール」が完成。
手を使ってはいけない、「紳士のスポーツ」として危険なプレーはしないことが定められました。
こうして近代サッカーが誕生しました。つまり、イングランドは「サッカーの母国」ということになります。
狭いエリアで強度の高いプレーをする中で、相手と味方の位置を見ながら「レーン」や「中間ポジション」を見つける眼を養えば、試合でもポジショナルプレーで「意図的に」相手の守備を突破することができるようになるでしょう。
■4.手を使っちゃいけないなんてつまらない! そうして生まれたスポーツが...
サッカーのルールを決める上では、「手を使っていいかどうか」で最後まで意見が分かれたそうです。最終的に、投票の数で「手を使ってはいけない派」が勝利。
一方敗れた人たちは8年後の1871年に『ラグビー・フットボール・ユニオン』を結成しました。
そう、それが今も世界中で人気の「ラグビー」です。こちらも、組織を作ってルールを決めたのは上流階級の人たち。
だから、ラグビーもサッカーと同じく、「紳士のスポーツ」と呼ばれます。