汗の分だけ、成長できる
2015年7月29日
「好きなことを積み重ねた時間が、人を育てる」日本代表GK・川島永嗣
■大切なことは、なりたい自分を明確にイメージすること
――もう一つ、川島選手には読書家としての顔もあります。今も本はよく読まれますか?
そうですね。とくに遠征の空き時間に読みます。サッカー本はまず読みませんが、小説やビジネス書をよく読みます。本当は紙の本をパラパラとめくりながら読んだ方が内容を覚えやすいのでそうしたいのですが、移動が多いときには荷物ががさばらないようにipadなどに読みたい本を全部入れて読んでいますね。
――本を読むことの大切さはどう考えていますか?
語学を習得するのと同じですが、今まで答えが一つだと思っていたことが、本を読むことで自分の考え方や価値観が感化されます。特に小説、もちろん映画なども同じことが言えますが、自分の想像力を広げたり、考え方の幅を広げたりするには欠かせないものだと思います。人と会ってないのにまるで人と会っているかのような時間にも思えますから。
――子どもの頃から読書をしていたんですか?
プロに入ってからですね。子どもの頃はまったく読まなかったです。これは語学を習得したときの感覚と同じで、自分の考え方の幅を広げたいと思ったときに、自然と本もたくさん読むようになりました。そういうのはタイミングだと思うし、小さいころから「読まなきゃいけないから」と嫌々読めばいいかというと、そうではないと思います。ただし、子どもの頃から本を読んでいれば知識や感性が豊かにはなると思うので、自然と本を読む習慣が備わっていたなら、それは羨ましいです。
――語学や読書などのように、努力をコツコツと続けてきたイメージの川島選手ですが、成長するためのコツや秘訣とは何だと思いますか?
正直、あまり考えたことないんです。もっと成長しなきゃいけないとか、何々をし続けなきゃいけないとか、そういうふうに自分にノルマを課すようなことはしません。大事なことは、自分がどうなりたいか、何をしたいかを明確にすること。その気持ちが自分自身を作っていくことになると思います。語学にしても、そもそもは映画を見たときに、英語が話せたらかっこいいな、自分もこうなりたいな、と思ったのがきっかけでした。ゴールキーパーとしても、世界で活躍する選手になりたい! という感情をすごく大事にここまでやってきました。自分が好きなことをやっている時間の積み重ねが自分自身を作るのだと思います。
――川島選手はこれまで努力をしてさまざまな目標をクリアしてきましたが、最後に今後のさらなる目標を教えてください。
ぼくは今年で32歳になったのですが、ヨーロッパでブッフォン(イタリア代表)が38歳でチャンピオンズリーグの決勝に出たり、元オーストラリア代表のシュワルツァーが40歳で初めて同大会の準決勝の舞台に立ったりする姿をみると勇気づけられます。彼らのような年齢になっても大きなことをやり遂げられることに本当に心を動かされています。ぼく自身も、プレーで子どもたちに夢を見せられる存在になっていけたらうれしいです。
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