不安定で不確実な社会を生き抜くスキルの身につけ方

2019年2月13日

「失敗したらどうしよう...」は、親の対応が原因。子どもが積極的にチャレンジする力の育て方

2020年に大学受験改革を象徴とする大教育改革を控える日本では、この年を契機に〝賢さ〞の中身が大きく変わります。

これからの子どもたちには、親世代が経験しているような、記憶力や知識を基に「正解」早く見つけ出したり、テストの点数を競うだけではなく、いろいろな人を納得させられる答えを自分で導き出す思考力が問われます。

本連載では「自分で決められる賢い子供 究極の育て方」(KADOKAWA)から、10年後の社会を賢く生き抜くために、子どもたちが身につけておくべきスキル(ライフスキル)についてお伝えします。

教育の場でも重要なワードとなっている「非認知スキル」は、スキル=技術なので、親の学歴や経済力、生まれ持った資質や才能、特質ではなく、後天的に習得が可能なのです。


たとえばサッカーのドリブル突破もひとつのチャレンジ。上手くいかなかった場合もその「過程」を褒めることが大事 (C)サカイク

 

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■失敗やミス=いけないこと ではないと大人が認識しよう

「できなかったことができるようになる」勉強でもスポーツでも大事なことです。

「チャレンジが大切だ」と聞いてと反対する大人は少ないでしょう。それなのに、現実には学校でも家でも、自分から何かに積極的にチャレンジする子どもは少数派。

子どもたちはチャレンジすることをためらってしまう理由の1つには「失敗したらどうしよう」と感じることがあります。

周囲の大人たちが子どもの失敗を過剰に恐れ、先回りして失敗しそうな原因を取り除いてしまうことで、不安が増幅し「失敗したくない」「ミスをしたらどうしよう」という気持ちが強くなり、それがチャレンジを妨げています。

「わが子が失敗する姿を見ていられない」という方もいるでしょう。しかし、失敗やミスを「いけないこと」ととらえているうちは、子どもたちが思い切ってチャレンジできる環境を整えているとはいえません。

子ども自身が本当に困ったときに、はじめて気がつくこともあるのです。

また、子どもが自ら進んでチャレンジをするかどうかに関わっているといわれているのが、自己肯定感と言われてます。

短所や長所はあっても、ありのままの自分を大切にできる気持ち、自分をまるごと肯定できる気持ちを指す自己肯定感は自信につながり、「よし、やってみよう」と挑戦できるのです。

■ネガティブワードが子どものチャレンジする「一歩」を奪っている

「何やってんだ」
「どうしてできないの?」
「あーあ」

試合会場でつい声に出してしまっていませんか。ため息交じりのネガティブなリアクションが、子どもたちからチャレンジする力を奪っている可能性があります。

結果だけを評価された子どもたちは、次第に臆病になり、「失敗して怒られるくらいなら」と、チャレンジすることをやめてしまいます。

ミスに目を向けるよりも、その過程にあるチャレンジを評価してあげることで子どもは「頑張った自分」を認められたことで心が満たされます。

ほかの誰かとの比較は子どものチャレンジ精神をスポイルするので、あくまでその子の中でのチャレンジや成長を認めてあげることで、子どもは「次は○○にチャレンジしてみようかな」という気持ちになるのです。

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