考え・自分で行動する力を伸ばす ~サンガつながり隊よっしぃコーチの「みんながつながり隊っ!」~

2019年1月 8日

あなたの謙遜が子どもの自己肯定感を下げている。イケてる自分を見つければ子どもの可能性は広がります

京都サンガでは「サンガに関係する全ての人々の心を明るくすると同時に、サッカーを通じて地域を振興し、連帯を深めること」を理念としています。この理念をもとに「子ども」に焦点を当て、「子どもまんなかプロジェクト」と題し、2012年から「サンガつながり隊」という活動を行っています。

これまで福中善久コーチの「エガオノミカタ」としてお送りしてきたコラムがリニューアル。よっしぃコーチの「みんながつながり隊っ!」としてお送りしますのでお楽しみに。

第三回目のコラムをどうぞ。

内閣府発表のデータによると、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン、韓国、日本の13~29歳の若者を対象にした意識調査で、日本人の「自分自身に満足している」と答えた人の割合が圧倒的に低いことがわかりました。

「自分自身に満足している」という感覚は、学校や社会、家庭において「自分はここにいてもいいんだ」「自分の存在には意味がある」「自分は何かの役に立っている」という「自己肯定感」を表すものでもあリ、このデータは未来を担う若い人たちの多くがこれから社会で活躍する自信を持てていないということを物語っています。

これがより深刻な状況にならないために、子どもたちに対して大人は何ができるのでしょうか?

<<前回:子どもの考える力が育つオープン・クエスチョンとは

まずはやってみないと上手くいかなかった原因の分析すらできないのです。プロセスを大事にしましょう。

■①「やってみる」というチャレンジ精神を大事にしてあげましょう!

大人、特に保護者の方は、子どもにミスをさせないようにする傾向にあります。その影響で、「やったことがないからイヤ」「自分には無理」という子どもがとても多く、高学年になるに従ってその割合も増えていくようです。

でも、「ミス」はあくまで結果であって、そこに至るまでのプロセスも子どもにとって重要な要素です。

とにかく「やってみる」ことで「あそこでこうしたから失敗したんだ」「次はこうしてみよう」という自己分析と再チャレンジの意欲が生まれるのです。そして、再チャレンジで成功した時は、自分で克服したという「自信」として心に刻まれます。

■②あなたが考える「短所」、それって本当は「長所」かもしれませんよ?

先生またはコーチとの面談で「この子は本当にノロマで...」などと言う保護者がいらっしゃいます。謙遜もあるのでしょうが、 隣で聞いている子どもはどのような気持ちになるでしょうか? 悪いところだけを指摘されていると、まるで良いところがないように感じるのではありませんか?

でも保護者が言う「ノロマ」は「落ち着きがある」「慎重」とも考えられますし、逆に「せっかち」な子は「決断力や行動力がある」かもしれません。

子どもの短所を指摘するだけではなく、長所を褒めてあげたり、一見短所と思われることも長所として活かせる場所があることを示してあげてほしいものです。

■③いろんなことに取り組めば自分の長所や居場所はきっとみつかる!

人間、自分がやったことを誰かに認めてもらうと、とても嬉しいですし、自分を認めてくれる人がいる場所に居心地の良さを感じるものです。

例えばサッカーでドリブルがうまくできない子にドリブルばかり要求していては自信をなくす一方です。もしかするとボールを奪うディフェンスがとても上手かもしれませんよ。

あるいはサッカーを離れてキャンプをすれば、意外なリーダージップを発揮するかもしれません。子どもは自他ともに良いものを発見すると素直に受け入れます。

キャンプでリーダーシップを発揮した子は、キャンプだけでなく、サッカーでもリーダーシップを発揮するようになることも往々にしてあります。

大切なことは、ひとつの場所、シチュエーションに固執せず、いろんなことに取り組むこと。そうすることによって、 意外な長所や、素晴らしい居場所を発見する可能性が大きく広がるはずです。

<<前回:子どもの考える力が育つオープン・クエスチョンとは

福中善久(ふくなか・よしひさ)
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAで幼児~小学生を中心に様々なスポーツやキャンプ指導にあたった。また、大学生の指導者育成や高齢者スポーツなど幅広く活動。京都サンガでは未来を担う子どもたちに、スポーツを通じて「人と人がつながっていくことの大切さ」を伝える「サンガつながり隊」のコーチとして活動。地域の小学校を中心に年間2万人の子どもと関わっている。
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