考え・自分で行動する力を伸ばす ~サンガつながり隊よっしぃコーチの「みんながつながり隊っ!」~
2019年9月17日
心の壁をつくらず色んな年齢の子と一緒にやってみることで、思いやりと相手の気持ちを量る力がつく
京都サンガでは「サンガに関係する全ての人々と夢と感動を共有し、地域社会の発展に貢献する」を理念としています。この理念をもとに「子ども」に焦点を当て、「子どもまんなかプロジェクト」と題し、2012年から「サンガつながり隊」という活動を行っています。
2012年の発足からこれまでに接した人の数は11万人以上。たくさんの小学生とその保護者らを見てきたよっしぃコーチの「みんながつながり隊っ!」。
今シーズンは子どもたちからの質問に答える形でお送りします。
第三回目の今回は、「友達づくり」について子どもからの質問です。
【今月の子どもからのQuestion?】
友だちをたくさんつくるにはどうしたらいいの?
<よっしいコーチの回答>
サンガつながり隊のプログラムでは誰とペアやチームを組むかを自分たちで決めてもらうのですが、「他のクラスの人と一緒にやってもいいんですか?」「男女で組んでもいいんですか?」などの質問が返ってきます。
誰とやるかの枠を自分で狭めず、誰とでも一緒にできる力を子どもの時に身につけてほしいと私は思っています。
今の子どもたちの日常での人との関わりは、学校生活が中心で同じ学年で過ごすことが主です。
■社会に出ると異年齢と接することも多い。その時に戸惑わないために
しかし、社会に出るとどうでしょう? 職種によるかもしれませんが、仕事では異年齢の人と接する機会がとても多くなります。これまでずっと同年齢とだけ接していた人は、きっと社会に出た途端に戸惑うことでしょう。
ですから、できるだけ若いうちに、自分の心の中で壁をつくることなく、 いろんな年代の人に声をかけ、友だちや仲問をつくる機会を増やしてほしいのです。その方が友だちの数もぐんと増えますよね。
私が子どものころは学校が終わってからの遊びがその体験を与えてくれました。学校が終わると住んでいたマンションの下に幼児から高学年のお友だちが集まり、今日は何の遊びをするかをみんなで決めて遊んでいました。そして異年齢で一緒に遊ぶことでそれぞれの違いを受け止めることも体験させてもらいました。
例えば野球をして遊ぶ時は、 小さい子は三振なしやピッチャーは下投げで投げるなど年齢に合わせてルールを変えていました。
そうしないと幼児の子は泣きじゃくって遊びになりませんでした。しかし今はどうでしょう?
同年齢でしか過ごしていない子はそんなことをすると「せこい」「なんで○○くんだけ」 となる場合も少なくありません。
■年が違う子と遊ぶことで育つ心・姿勢
サンガで私が担当しているグローバルクラスでは、異年齢の子ともたちが一緒にサッカーをやっています。同じ年齢だと競い合ったり、反発し合ったりすることがあっても、違う学年の友だちとやることで、年上は年下をいたわる思いやりの心、年下は年上に積極的にチャレンジする姿勢が自然と育まれていくのです。
同じ学年の友だちだけではなく、さまざまな年齢の友だちと一緒に遊ぶ機会をたくさん増やしてほしいと思います。
福中善久(ふくなか・よしひさ)
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAで幼児~小学生を中心に様々なスポーツやキャンプ指導にあたった。また、大学生の指導者育成や高齢者スポーツなど幅広く活動。京都サンガでは未来を担う子どもたちに、スポーツを通じて「人と人がつながっていくことの大切さ」を伝える「サンガつながり隊」のコーチとして活動。地域の小学校を中心に年間2万人の子どもと関わっている。
▼サンガつながり隊の詳細はこちら
https://www.sanga-fc.jp/hometown/tsunagari/