考え・自分で行動する力を伸ばす ~サンガつながり隊よっしぃコーチの「みんながつながり隊っ!」~
2020年1月20日
シュートを外す、コントロールミス...... そのたびイラっとするのはもったいない! 思い通りにならない時こそ成長のチャンス
京都サンガでは「サンガに関係する全ての人々と夢と感動を共有し、地域社会の発展に貢献する」を理念としています。この理念をもとに「子ども」に焦点を当て、「子どもまんなかプロジェクト」と題し、2012年から「サンガつながり隊」という活動を行っています。
2012年の発足からこれまでに接した人の数は11万人以上。たくさんの小学生とその保護者らを見てきたよっしぃコーチの「みんながつながり隊っ!」。
今シーズンは子どもたちからの質問に答える形でお送りします。
第10回目の今回は、「思い通りにいかないことがあるとイラっとします。どうしたらいいですか?」と子どもからの質問です。サッカーでも普段の生活でもすべてが自分の思うとおりになるわけではありません。そんなときイラっとするだけでは成長はできません。思い通りにならない経験こそ、友達との付き合い方を学ぶ機会になったり、チームとして成長するきっかけとなるのです。
【今月の子どもからのQuestion?】
思い通りにいかないことがあるとイラっとします。どうしたらいいですか?
<よっしいコーチの回答>
「勉強を頑張ったのに、テストの点数が良くなかった」「もっと遊びたいのに帰る時間になってしまった」など、日常生活の中で思い通りにならないことがあった時は、どのように受け止めていますか?
無意識に人のせいにしたり、上手くいって嬉しそうな友達を妬んだりしていませんか?
私たちは、ついつい結果で物事を判断してしまいがちですが、実は結果が出た後にこそ、たくさんの学びのチャンスがあるのです。
■思い通りにならないことも生きていく上では大切な体験
サンガつながり隊でも「○○くんと同じチームになりたかったけど、なれなかった......」「試合に勝ちたかったけど、勝てなかった......」「シュートを決めたかったけど、決めることができなかった......」など言ってくる子も少なくありません。
スポーツにおいてもさまざまな場面で思い通りにならないことが起こります。しかし、思い通りにならないことも生きていく上では大切な体験。
これから生きていくなかでもすべてが自分の理想通りにいくことなどないのです。思い通りにならないからこそ、自分の行動を振り返り、自分の弱さを知り、他人の弱さにやさしくなれることを学んでいきます。
友だち関係においても気の合わない人と出会うからこそ、友だちとの距離感や付き合い方を学んでいくのです。
■いちいち怒っていてはチームが機能しない
サッカーはそういったことを自然に学ぶことができます。キックオフからタイムアップまで、ミスひとつなくプレーするのは、まず不可能です。「パスがずれる」「シュートを外す」「ボールコントロールをミスする」などは、しょっちゅうです。
いくら勝ちたいと強く思っても、負けてしまうことだってあります。仲間のミスに対していちいち怒っていては、チームだって機能しません。思い通りにならないことだらけのスポーツだからこそ、工夫したり、仲間と助け合ったりしながら、人間やチームが成長していくということを覚えておいてください。
また、サンガのグローバルクラスでも取り入れている野外活動にもたくさんの学びがあります。自然の中で過ごしていると、雨で薪が濡れてなかなか火がつかないなど、思い通りにならないことがいっぱいです。
その中で、自分自身や仲間の得意なこと、不得意なことが見えてくるとともに、仲間や自然と上手に付き合える人間へと成長するまたとない機会になるはずです。
福中善久(ふくなか・よしひさ)
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAで幼児~小学生を中心に様々なスポーツやキャンプ指導にあたった。また、大学生の指導者育成や高齢者スポーツなど幅広く活動。京都サンガでは未来を担う子どもたちに、スポーツを通じて「人と人がつながっていくことの大切さ」を伝える「サンガつながり隊」のコーチとして活動。地域の小学校を中心に年間2万人の子どもと関わっている。
▼サンガつながり隊の詳細はこちら
https://www.sanga-fc.jp/hometown/tsunagari/