東北の元気を届ける『仙台だより』
2012年3月 1日
被災地に届け!1万km離れたサッカーファミリーからの思い
2011年3月11日に起きた大地震と津波、そして原発事故から間もなく1年が経とうとしています。ご存知のとおり東北地方沿岸部を中心に多くの方々が大きな被害を受け、現在もまだ大変な状況が続いています。いつもは東北の情報を中心にお届けしている「仙台だより」ですが、今回は、日本から遠く1万kmはなれた街、カナダのトロントにあるサッカーファミリーの支援活動をご紹介します。
■『ボールで繋ぐひとつの和』を合言葉に
カナダ最大の都市で、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴに次ぐ北米有数の都市トロント。この街では毎年、国別対抗のサッカー大会が開催されています。2006年夏、当時トロントに住んでいた日本人サッカープレイヤーたちがこの大会に参加するために集まり、結成したチームが今回ご紹介するJFT(Japanese Football club of Toronto)です。JFTには、日系カナディアン、トロントへの移住者、日系企業の駐在員、ワーキングホリデー、学生、そして現地のカナダ人など、様々なタイプの人が所属しています。初心者から経験者まで幅広いサッカーレベルの人が楽しめるよう、様々なカテゴリーのチームが活動しており、キッズから大人までを含めて100名前後のメンバーがプレーしています。
代表の渡部玲生(わたなべれお)さんは語ります。
「JFTは、設立以来たくさんの方々からのサポートを受け、着実に発展を続けてきました。これはサッカーに限らず全てのスポーツにおいて言えることですが、スポーツの持つ力は偉大です。サッカーを中心に集まる人・・・その集まりから生まれる新しいアイデア・・・そのアイデアが導く新しい活動の数々・・・。我々はこれまでたくさんの活動に取り組んできました。そのひとつが震災の復興支援として開催したチャリティサッカーイベント『Kick it for Japan』です。これからもその勢いを止めることなく、仲間とともに様々な事に気づきながら活動を続けます。それが我々自身の成長にも繋がり、それこそがJFTの原動力なのです。」
彼らが、最初にチャリティサッカーイベントを開催したのは、震災の日から1ヶ月半後の2011年4月23日。「Kick it for Japan」と題して、とにかく1ドルでも多くの義援金を一刻も早く被災地へ届けたいと、1万ドルを目標に掲げ開催し、見事達成しました。そして再び「Kick it for Japan 2」を開催することを決めたのです。
「『ボールで繋ぐひとつの和』を合言葉に、それぞれが自分たちのルーツや文化に誇りを持ちながら、互いの多様性を尊重し合って活動しています。今回のチャリティサッカーイベントも選手が主体的になって各々の得意分野を発揮しながら、一つのものを創り上げました」と語るのは、副代表の海上誠(うながみまこと)さん。
●第1回開催の様子