震災復興応援プロジェクト
2011年3月23日
【応援コラムVol.4】それでも、ボールが蹴りたくなる。それがサッカー
東日本大震災の災害被災地の映像が連日連夜流れるニュースの中、避難所になっている学校の様子が映し出されました。インタビューを受ける被災者の方々の横で一人の少年が校舎に向かってボールを蹴っていました。
未曾有の災害に見舞われ、すべての人たちが悲しみに暮れている中でその少年はただ無心にボールを蹴り続けていました。もしかしたら寂しさを紛らわすためなのかもしれません。あるいはやり場のない気持ちをどうする術もなく、ボールに込めているのかもしれません。 しかし、それでもボールが蹴りたくなる。それがサッカーなんだろうと思いました。どんなにつらいときでも仲間とともにボールを追いかけたその記憶を思い出しながら、またサッカーがしたいと思っていたに違いありません。
話は変わり、知り合いのコーチからのメール。一緒に指導者ライセンスの研修を受けた仲間のコーチといまだ連絡が取れないといいます。今まで当たり前に存在していた友人を失ってしまうつらさ。 しかし、彼はメールの最後に次のように書いていました。
『つらいけど、子どもたちにサッカーの楽しさを伝えることを僕は続けていくしかないんです』
電力事情により、東京・静岡での代表戦は中止になり大阪でのチャリティーマッチ開催となりました。つい先日のアジアカップの熱狂がずいぶん遠く感じるのは私だけではないかもしれません。
しかし、思い出してほしいと思います。インテル(イタリア)に移籍した長友佑都選手の活躍を。 日本人として初めて世界一のチームに移籍し、ピッチに立ったその姿を、みんなが誇らしく、同時に日本人としての誇りを奮い立たせられる気持ちで見たでしょう。
もしかしたらこういった閉塞感を抜け出すきっかけになるのがスポーツの力、スポーツの感動なのではないかと思います。 被災したみなさんの生活が落ち着き、一刻も早く街が復興することを心から願っています。そして東北の子どもたちがまた元気良くボールを追いかけている光景がみたいと思っています。
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青いそら・・・
茨城県在住のエディター&ライター。心理学・教育学を専門分野に持つ。筆者自身もプレーヤーであり、少年団での指導経験を生かした執筆活動を行っている。