【今日からできる】運動会でも速く走る方法

2019年10月 9日

速く走る姿勢を身に付ける! 上体を曲げすぎる「くの字」姿勢を改善して速く走るコツ|動画で解説

ヴァンフォーレ甲府のフィジカル・コンディショニングコーチの谷真一郎さんに「スピードアップのための5つのポイント」を教えてもらう人気シリーズ。

3回目のテーマは「上半身が前傾しすぎる動きの改善」です。

前傾姿勢は速く走るために大事なポイントですが、腰が曲がった状態でひらがなの「く」のように上体を前傾させるのはスピードが落ちてしまう原因になります。

身体の前傾はどのぐらいが良いのか、タニラダーを使った、速く走るための練習法も動画でご紹介しますのでご覧ください。

動きのコツを覚えて、サッカーのプレーや運動会の徒競走などに役立てましょう!

(取材・文:鈴木智之 撮影:藤森悠ニ)

<目次>

1.頭が前に出すぎるとスピードが落ちてしまう
2.陸上とサッカーでは「スタート」が違う
3.ありがちな間違ったトレーニング 正しいトレーニング...からのNGな姿勢

<短期集中連載>
【今日からできる】運動会でも速く走る方法

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気持ちが焦って頭が前に出てしまい、上体が折れるのはスピードを落とす要因です

 

■気持ちが焦るあまり頭が前に出すぎるとスピードが落ちてしまう

走るときに気持ちが焦るあまり、頭が前方に出すぎてしまい、上半身が折れてしまうことがあります。いわゆる『くの字』の姿勢です。

「体全体が『くの字』になってしまう動きは、多くのデメリットを抱えています。まず良い姿勢を崩してしまうので、大きな地面反力を得られなくなります。スピードを決めるのが、一歩一歩のストライドと足の回転なのですが、上半身が『くの字』になると、ひざが上がりにくくなり、ストライドが狭くなります」

走るときの理想的な姿勢が、体が一本の棒のようになり、肩、ひざ、拇指球(足の裏の親指の付け根)が一直線になっていることです。しかし、『くの字』の動きは、これとは正反対なのです。

 

【動画で解説】速く走るひざの角度を身につける方法 詳細はこちら>>

 

走る時の理想的な姿勢は、肩、ひざ、拇指球(足の裏の親指の付け根)が一直線になること

 

「くの字になると、かかとから地面に接地するので、ブレーキがかかってしまいます。足を蹴って走るときに、前方へ足を持ち上げるのに時間がかかり、回転数が落ちてしまいます。肩甲骨が開いているので、腕を振りづらい状態でもあります。これらはすべて、スピードを落とす動きにつながってしまうので気をつけましょう」


上体がくの字になるとどうして遅くなってしまうのか。走りを決めるストライドと足の回転との関係について解説します

 

■陸上とサッカーでは「スタート」が違う。サッカーで速く動き出すために大事なポイント

谷さんは言います。

「陸上選手であれば、クラウチングスタートでスタートするので、最初の数歩は上半身が『くの字』になりやすいですが、サッカー選手は常に立った状態で動き出すので、一歩目から良い姿勢で足をつき、地面から大きなエネルギーをもらって、速く動き出すことが肝心です。『くの字』にならないように、常に良い姿勢で走ることを心がけましょう」

サッカーの試合中は、周囲の状況を観て、どのプレーをすべきかの判断が求められます。『くの字』は顔が下がるため視野が狭くなり、余計なエネルギーロスも多いので、スタミナにも影響があります。

省エネで動き、スタミナを持たせるためにも、良い姿勢を意識して動くようにしてみてください。

よくありがちな間違ったトレーニング
【正しいトレーニング...からのNGな姿勢】


ラダー上は正しい姿勢でトレーニングできているのに、ラダーを駆け抜けた後にくの字になってしまう。ラダー上の「良い姿勢のまま」駆け抜けましょう

 

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谷真一郎(たに・しんいちろう)(ヴァンフォーレ甲府・フィットネスダイレクター)
筑波大学在学中に日本代表へ招集される。同大学卒業後は柏レイソル(日立製作所本社サッカー部)へ入団し、1995年までプレー。 引退後は柏レイソルの下部組織で指導を行いながら、筑波大学大学院にてコーチ学を専攻する。その後、フィジカルコーチとして、柏レイソル、ベガルタ仙台、横浜FCに所属し、2010年から2019年までヴァンフォーレ甲府のフィジカルコーチを務める。2020年よりヴァンフォーレ甲府のフィットネス関連の活動に携わるフィットネス・ダイレクターに就任。
『日本で唯一の代表キャップを持つフィジカルコーチ』

 

※肩書など修正して再アップします

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