【今日からできる】運動会でも速く走る方法
2019年10月10日
大股?小股? 速く走るためのカギは正しい歩幅とかかと接地|動画で解説
ヴァンフォーレ甲府のフィットネスダイレクターを務める谷真一郎さんに「スピードアップのための5つのポイント」を教えてもらう人気シリーズ。
4回目のテーマは「大股&かかと着地でブレーキが掛かる動きの改善」です。
走るとき、1歩の歩幅が大きい走り方のほうが速く走れるイメージを持つ方も多いですが、大股走りも遅くなる原因だと谷コーチは言います。また、速く走るためには足のどこで接地するかも重要です。
タニラダーを使った、速く走るための練習法も動画でご紹介しますのでご覧ください。
動きのコツを覚えて、サッカーのプレーや運動会の徒競走などに役立てましょう!
(取材・文:鈴木智之 撮影:藤森悠二)
<目次>
1.一歩が大きいと膝が伸びてブレーキになる
2.接地のポイント、地面を蹴る時の注意
3.地面を上から踏む感覚をつかむ
4.かかと接地の感覚を覚える
5.タニラダーを使ったトレーニング
<短期集中連載>
【今日からできる】運動会でも速く走る方法
■一歩が大きいと膝が伸びてブレーキになる。かかと接地はNG
ひざを上げて一歩踏み出した後、地面に足の裏をつける動作があります。いわゆる「接地」という動作です。右足を踏み出して接地し、左足を踏み出して接地する動作を繰り返すことが、走る動作の基本的なメカニズムです。
「一歩を大きく踏み出そうとすると、ひざが伸びてしまい、かかとから地面に接地してしまいます。これは速く走るどころか、次の一歩に対してブレーキをかけてしまうことになるので、気をつけてください」
【速く走る方法】運動会でも役立つ 速く走るために足のどこで接地するのか
谷さんは「速く走る選手は、足の前方(指の付け根のあたり)で地面に接地しています」と説明します。
「かかとから接地して走る子が多いですが、その場合、かかと→足の前方と足裏が順番に接地するので、そのぶん時間的なロスが生まれてしまいます。そのロスを防ぐためにも、足指の付け根あたりから接地することを意識しましょう」
また、かかとから接地すると、地面にかかとが着いた瞬間に得られる地面反力は、進行方向ではなく、体の後ろへと流れて行ってしまいます。
「これは、ブレーキをかけながら走っているのと同じです。そうではなく、足の指の付け根あたりで接地し、地面から得られるエネルギーを十分に受け取り、進行方向へと進んでいきます。このときに大股になるのではなく、地面からエネルギーを得やすい場所に足を着き、肩、ひざ、拇指球(足裏の親指の付け根あたり)が、一直線になる姿勢をキープすること。これは常に意識してほしいと思います」
【速く走るための理想的な姿勢】
【補足】動画で解説! 正しい姿勢を身に着ける方法 詳細はこちら>>
■接地のポイント、地面を蹴る時の注意
接地のポイントとして、「速く走る人ほど、足首の角度変化が少なく、地面を蹴る動作をしていません」と話す谷さん。徒競走でクラウチングスタートをする場合などは、どうしても地面を蹴ってスタートしてしまいがちですが、地面反力を得にくい姿勢なので、地面を蹴ると、ずるっと滑りやすくなってしまうので注意が必要です。
「サッカーの試合中、頭上高く上がったボールに対して、前後に動く場合、足首の角度変化が大きく、地面を蹴ってスタートを切ろうとすると、後ろ足が流れて滑りやすくなります。足の踏み変えを意識して、後ろ足で蹴るのではなく、地面を上から踏む動作を意識すると、スムーズにスタートを切ることができるようになるでしょう」
【地面を上から踏む感覚をつかむ】
【かかと接地の感覚を覚える】
【タニラダーを使ったトレーニング】
最終回となる第5回目は、サッカーだけでなく明日の運動会に活かせる「徒競走、100m走で良いスタートを切る走り方のコツ」をお届けします。
谷真一郎(たに・しんいちろう)(ヴァンフォーレ甲府・フィットネスダイレクター)
筑波大学在学中に日本代表へ招集される。同大学卒業後は柏レイソル(日立製作所本社サッカー部)へ入団し、1995年までプレー。 引退後は柏レイソルの下部組織で指導を行いながら、筑波大学大学院にてコーチ学を専攻する。その後、フィジカルコーチとして、柏レイソル、ベガルタ仙台、横浜FCに所属し、2010年から2019年までヴァンフォーレ甲府のフィジカルコーチを務める。2020年よりヴァンフォーレ甲府のフィットネス関連の活動に携わるフィットネス・ダイレクターに就任。
『日本で唯一の代表キャップを持つフィジカルコーチ』
※肩書など修正して再アップします