スポーツ先進国の親たちが学ぶ!スポーツペアレンティング講座とは

2017年2月 3日

指導者との信頼関係が子どものスポーツ環境を向上させる。感謝を伝え、不満は気持ちのクールダウン後に

米国には「スポーツペアレンティング」という講座があります。これはスポーツをする子どもを持つ親を対象にしたもので、親として、子どものスポーツにどのように関わるかを考えるものです。
 
筆者は米国の「ポジティブ・コーチング・アライアンス」という団体が提供している親向けのオンラインコースを受講しました。
 
最終回は保護者と指導者との関係づくりについてお伝えします。(取材・文 谷口輝世子)
 

 
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■親と指導者の信頼関係が子どもの競技力アップにつながる
子どもがスポーツするうえで、イライラしたり、悩んだりしたりするのは親子関係だけではありません。指導者、コーチとどのように付き合うかも、親の悩みのタネになりやすいものです。
 
ポジティブ・コーチング・アライアンスでは、親が指導者やコーチとうまく信頼関係を築くための具体的な方法を提案しています。
 
オンラインコースでは、親と指導者がわかり合えることで、子どもも指導者を信頼することができ、子どもの心身の安定、競技力の向上につながりやすいとしています。
 
では、親ができることはどんなことなのでしょうか。
 
・指導者やコーチは、子どもたちを練習させ、試合でプレーさせるために、多くの労力を割いています。また、多くの人がボランティアであったり、少ない報酬で子どもたちのために時間を作っています。これを忘れないようにしましょう。
 
米国の幼い子どもたちのスポーツ活動の多くは、ボランティアによって支えられています。参加者の保護者がボランティアでコーチをすることで初めて活動が成立します。また、指導報酬を得ているコーチでも、少額であり、報酬以上に労力を割いています。ですから、指導者、コーチの置かれている状況を理解しましょうと提案しています。
 
・コーチのやり方や態度が、あなたの希望通りであったときには、それを保護者であるあなたからコーチに伝えましょう。
 
コーチの的を得た練習メニューで、我が子やチーム全体が向上したと感じたら、それをコーチに伝えます。
 
試合中に審判のジャッジで自チームに不利になることが起こっても、コーチが子どもたちに「落ち着くように」と声をかけていて、それを好ましいと思ったら、コーチに感謝の気持ちを伝えます。
 
 
■試合中にコーチの役割に侵入しない
・何も問題がなくても、コーチとコミュニケーションを取りましょう。
 
子どもが新しいコーチから指導を受けるようになったら、何か問題が起こってからではなく、普段から、親として子どもをどのようにサポートしたいかなどを伝えるのがよいそうです。ただし、親は親としての立場から話をするように心がけます。コーチの役割に侵入して、「コーチはこうするべきだ」とはならないように。
 
オンラインコースでは、親がコーチに対してしてはいけないこと、避けるべきことにも説明がなされています。
 
・指導はコーチに任せる。
 
試合中に親がサイドラインから我が子に対してコーチングすることは避ける。子どもを応援したり、励ますことと、コーチをすることは違います。親は試合中に我が子に対して「動詞」で声をかけることを避けましょうとしています。つまり「走れ」「見ろ」などといった動詞を叫ばないようにということです。
 
オンライン講習では、NBAロサンゼルス クリッパーズのドック・リバースヘッドコーチが親として子どものスポーツにどう関わったかのインタビュー動画も視聴しました。(リバースヘッドコーチの息子であるオースティン・リバースもNBAの選手です)
 
ドック・リバースは「私は自分の子どもの試合を見るときは親であって、コーチではないのです。自分の子どものチームにはコーチがいるわけですから、そのコーチに指導してもらいます」と話していました。
 
次ページ:不満をぶつけるタイミングは試合後24時間経ってから

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