W杯出場パパに聞く!親子で楽しむ「2018年ロシアW杯」の観戦術
2018年1月12日
名波浩が語る「日本代表の10番に必要なもの」とは? W杯ロシア大会の展望と、わが子とサッカー観戦を楽しむコツ
2018年はW杯イヤーです。日本代表の対戦相手も決まり、6月の開幕に向けて盛り上がりを見せ始めています。
そこでサカイクでは、日本がW杯に初出場した1998年のフランス大会で10番を背負い、中心選手として活躍した名波浩さんに「ロシアW杯の楽しみ方」について話を聞きました。
小学6年生の息子さんを持つ名波さんは、どんなところに注目して、親子でサッカーを見ているのでしょうか?(取材・文:鈴木智之、写真:兼子愼一郎)
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■注目している国は...
――ロシアW杯の組み合わせが決まりました。日本はコロンビア、セネガル、ポーランドと対戦しますが、対戦国の印象はいかがでしょうか?
日本としては、ある程度望んでいるグループに入れたのではないかと思います。まず、日本のグループには、世界的な選手がたくさんいて、W杯で何度も優勝している国がいません。選手のモチベーションという意味でも、ブラジルW杯で負けたコロンビアと初戦で当たります。
借りを返したいと思っている選手も多いでしょう。2戦目のセネガルは、個人的には南アフリカW杯のカメルーンと重なります。これからチームのスカウティング(分析)をしていく中で、行けるという手ごたえをつかめるのではないかと思います。
――3戦目に対戦する、ポーランドはどうでしょうか?
ポーランド国内では「イージーなグループに入った」と言われていると報道がありましたが、ジュビロ(磐田)にいるカミンスキーによると、現地の友人は「それほど簡単なグループではない。スタイルの違う3カ国なので、対策を3つ整えなければいけない」と言っていたそうです。
レバンドフスキという点取り屋がいますが、チームとしては2016年の欧州選手権よりは、若干落ちてきていると思います。
――それ以外に注目しているグループ、国はありますか?
注目はスペインとポルトガルが入った、グループBですね。好きな国は、昔からフランスです。小学生のときから好きで、高校(注・清水商業/当時)も、フランスのユニフォームでした。
フランスはバイエルンのコマン、パリ・サンジェルマンのムバッペという10代の選手がいるチームです。育成もしっかりしていますし、お家芸でもある内輪揉めさえなければチャンスはあると思います。
■サッカーの知識が増えると観戦力も上がる
――息子さんと一緒にサッカーを見る事はありますか?
はい。日本代表の試合はテレビで見ますし、W杯最終予選のサウジアラビア戦はジュビロのコーチと一緒に、埼玉スタジアムで見ました。いま小学校6年生なのですが、一緒に見ている時は「なんであそこにボールが出たの?」などを聞いてきます。
僕がジュビロのコーチ陣と審判のジャッジやラインコントロールなどについて話しているのを聞いているので、サッカーを始めた頃のものに比べて質問のレベルが格段に上がっています。
――息子さんと一緒にジョホールバルの試合(注・フランスW杯アジア第三代表決定戦)の映像を見返すこともあるそうですね?
ジュビロにいた小林祐希(現・フェーレンフェーン)に、オランダに行く前に1試合に何回ボールタッチ(注・プレー機会)をすればいいかという話をしたときに「最低70回以上、プレー成功率は80%以上を目指せ」と言ったんです。
で、自分が現役のときは何回触っていたのかなと思って、ジョホールバルの映像があったので見ていたら、息子も隣で見始めました。僕がボールに触るたびに「正」の字を書いて(笑)。ちなみに、延長を含めて95回タッチしていました。ボランチはそれぐらいボールに関わらなくてはだめで、中村俊輔にも、ボランチの川辺駿にも、回数のことは言いましたね。