W杯出場パパに聞く!親子で楽しむ「2018年ロシアW杯」の観戦術
2018年3月 6日
「エリア内ハンドを見逃してもらった」元代表CBが今だから語れる、W杯の思い出とロシア大会の注目国
■1つのプレーを「両方」から見る
――サッカーの試合は、お子さんと一緒に見ることはありますか?
僕がよく見ているので、自然と見ている感じではあります。まだ2年生なので、日本代表の試合を見ていると、『お父さん、あのユニホームを着てたことがあるんだよね』とか、日本が負けると『弱いじゃん』と言う感じなので、今のところ試合を見ながらわが子にアドバイスすることはないですね。
――サッカーを見るうえで、こういうところを見たら面白い、という視点があれば教えてください。
1つのプレーのオフェンスとディフェンス、両方の面から見てほしいですね。ゴールから入ったのは何が良かったのか、逆に入れられてしまったら何が悪かったのか。
ゴールそのものではなく、その前の場面を見てもらうと勉強になると思います。そのためには録画したほうが良いかもしれません。
ゴールが入ったら、巻き戻して、ゴールを取った選手がどういうポジショニングでボールを呼び込んだのかとか、どのようにマークを外してフリーになったのか。逆に失点した側で言えば、なぜここでクロスを上げられてしまったのか。そういうところに注目してもらいたいですね。
――やはり一流のプレーを見ることは大事なのでしょうか?
そうですね。ぼーっと見ていたら分からないかもしれませんが、良いプレーには理由があるんです。パスを受けるためのポジショニングをどう取っていたのか、身体の向きをどう取っていたのか。あるいはコントロールしてからパスまで何秒かかったのか。それともワンタッチで出したのか、ツータッチで出したのか。
そういう細かい部分をしっかり見ておけば、勉強になりますし、逆に今の場面ではこっちにもパスコースがあったんじゃないかって、子どもと一緒に話しながら見ることもできる。もちろん、解説者の話にも耳を傾けることも大事で、今のプレーはこういう狙いがあったんだなと知ることで、自分がプレーするうえで参考になることも多いと思います。
――国によってのスタイルの違いを見つけるのも面白そうですね。
そうですね。戦術論じゃないですけど、子どものうちに個の技術だけでなく、基本的な戦術を身に付けないと遅いと僕は思っています。遅くとも高学年になったら、そこはしっかり教えたほうがいいですね。
例えばこの場面で、3人で守るにはどうすればいいのか。1列なのか、2列なのかでも、約束事は変わってきます。どうして、今この選手がこのポジションを取っているのか。戦術が分かればそれが理解できる。そういうふうにサッカーが見られれば、より楽しくなると思います。
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一つのプレーを攻撃、守備両方の立場で振り返ることで、自分だったらその状況でどう動けばいいのかをイメージすることが大事だと小村さんは言います。「自分ごと」にすることで子どもたちもサッカーの理解がより深まるのです。サッカー未経験者の親御さんであれば、小村さんのアドバイスにあるように、解説者の説明を聞いて、お子さんに問いかけてみるのも良いかもしれませんね。
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