子どもに自信がつく!サカイクキャンプWINTER2018特集
2018年12月 7日
サカイクのコーチが実践する「子どもに自信を植えつける3つの方法」
「サカイクキャンプに行ってから、"失敗を怖がらず"にチャレンジするようになった」
「サカイクキャンプからチームに戻って、以前より"落ち着いて"プレーできるようになった」
「所属するチームでは周りのうまい子に遠慮しがちだったのに、サカイクキャンプに行ってからチームでも"積極的に"ボールに関わるようになった」
サカイクが普段から発信するメッセージ「自分で考える力を子どもたちに」を実践するサッカー合宿『サカイクキャンプ』の参加者アンケートでは、このような「失敗を怖がらなくなった」「積極的にプレーするようになった」「落ち着いて視野が広くなった」といった意見が多数を締めます。では、なぜサカイクキャンプから帰ってきた子どもに変化がみられるのでしょうか?
同キャンプを取り仕切る高峯弘樹ヘッドコーチに話を聞きました。(取材・文:サカイク編集部)
■子どもたちが自信を持てない理由とは?
サカイクキャンプに参加した子どもたちには、「かならずひとつ持ち帰ってもらいたいものがある」と高峯コーチは言います。
それは"自信"です。
「サカイクのコンセプトは、子どもたちの考える力を育てることですが、本来、子どもたちはみんな、自分で考える力を持っています。ところが、キャンプに参加してくれる子どもの多くは、はじめに考えることを躊躇してしまいます。それは自信を持っていないからだと考えています」
よく「うちの子は、周りの子に頼りっぱなしでいまいち"頑張ろうとしない"」といった声を耳にしますが、これは頑張ろうとしていないわけではなく自信がないだけのケースが多いと高峯コーチは言います。
「子どもたちが自信を持てない理由のひとつとして、所属チームのコーチやお父さんお母さんに、自分が選択したプレーや行動を否定されてしまう経験をしていることが挙げられます」
子どもが選択したプレーや行動を否定する声掛けに、「そこはシュートじゃないだろ」「ボールを持ちすぎだ、早くパスを出せ」などがあります。
「もちろん技術や個人戦術を身につけることは大切です。サカイクキャンプでも、マークの3原則や体の向きなど、サッカーをプレーするために必要な技術を身につけるトレーニングを行っています。ところが、技術や個人戦術を教えても、自信を持っていない子どもはそれを十分に発揮することができません」
なぜ、自信がないと技術や個人技術を発揮できないのでしょうか。それは自信がないと"失敗を恐れたり""消極的になったり""精神的に余裕がなくなり視野が狭くなったり"してしまうからです。
「これはぼくら大人でも一緒ですよね。仕事で失敗を重ねたり怒られたりすると、その部分が心の中で強調されてしまいます。じつは成功していることもあるのに気づけなくて自信がなくなり、仕事に消極的になっていってしまう。子どもたちのサッカーもまったく同じで、彼らの中でできなかったことばかりが強調されてしまうと、サッカーに消極的になってしまう。もちろん、ダメなことはダメと叱らなければいけないですし、ときに怒ることも必要でしょう。しかし、成功体験に気づかせてあげる、自信を持たせてあげることも必要です」
成功体験を認識することで、自信を持てるようになります。自信を持てるようになると、失敗を恐れなくなり、積極的になり、こころに余裕ができて視野も広がります。そういった落ち着いた心理状態で、はじめて自分で考えることができるようになり、考えたことを周りに伝えることもできるようになります。
■子どもに自信を植えつける3つの方法
では、子どもに自信を持ってもらうために、周囲の大人はどのように関わると良いのでしょうか?
サカイクキャンプで実践している子どもに自信をもってもらう方法を高峯コーチに教えてもらいました。
「子どもたち自身が『自由にプレーする(判断する)ことが許されているんだ』と実感できる雰囲気をつくってあげることと、その判断を認めてあげることです。具体的には、『そんなところが見えていたのか。すごいなぁ』とか、『そんなプレーもできるようになったのか。やるなぁ』といった声掛けを心がけています」
教える(ティーチング)ではなく、子どもを導いていく(コーチング)意識を持つと、そういった声掛けをしやすくなるかもしれません。
「サカイクのコーチ陣は、子どもたちが持っているキラリと光る部分を本気で引き出したいと考えています。サカイクキャンプを終えてチームに戻っても、心の芯にどっしりとした自信を置いてプレーできる。そんな子どもたちを育てる"自信生産工場"でありたいです」