サッカー練習メニュー

2024年7月16日

GKを始めたばかりのU-12の選手たちでもできる! クロスボールに対応する際に準備しておきたい「3つのこと」とは?

サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、強豪チームや豊富な実績を持つ指導者による、トレーニング動画を配信中だ。

前回より、「U12年代のGKが身につけたいクロスボールへの対応」をテーマに、LIALL GK ACADEMYの代表を務める、楠本晃義コーチによるGKトレーニングを公開している。

楠本コーチは川崎フロンターレで指導キャリアをスタートし、栃木SCではアカデミーとトップの両方を経験。現在はLIALL GK ACADEMY、LIALLスポーツクラブを立ち上げるとともに、日本サッカー協会コーチ、栃木県サッカー協会FAコーチも務めるなど、経験豊富な指導者だ。

COACH UNITED ACADEMY動画後編では「GKとDFが連携して、クロスボールに対応する、実践トレーニング」をテーマに、実際の試合に近いシチュエーションを体験させ、動作だけでなく、コーチングにアプローチしていく。(文・鈴木智之)

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ボールをよく見てからスタートを切る

後編最初のトレーニングは「1対1+GK+サーバー」。ゴール前の状況で、1対1+GKを行う。攻撃側のサーバーがサイドにいるので、そこを使ってゴールを狙う相手に対して、GKがどう防ぐかというトレーニングだ。

サーバーはコーチが担当し、パスを受けたら手で扱い、ワンバウンドさせてから手でクロスを投げ入れる。そうすることで、身体が小さく、経験の浅いGKでも、適切なプレー強度の中でトレーニングすることができる。

GKから見ると、DFという味方がいるので、数的優位の状況だ。そこでGKはDFに対して名前を呼んで「寄せろ」「マークしろ」などのコーチングをすることがポイントになる。

楠本コーチは、味方選手に相手をプロテクション(ブロック)させ、GKがプレーするエリアを確保すること。さらにはGKがゴールを離れてプレーする場合は、味方選手がゴールカバーに入ることの重要性を伝えていく。

また、クロスボールをかぶってしまった選手に対して、「サーバーがクロスを投げ入れる瞬間、先に動くと難しくなる。距離があるので、よく見てからスタートを切った方が良い」とデモンストレーション。

加えて、クロスボールをDFにクリアさせるのか、それともGKが対応するかの判断も重要だ。そこで、GKがプレーすると決めたときは「キーパー!」という声を出すことで、味方選手に自分がプレーする意思を伝えることを促していた。

各プレーのポイントを、わかりやすく説明しているので、詳細はCOACH UNITED ACADEMYの動画で確認してほしい。

ボールの移動中にしておきたい、確認、ポジショニング、指示

次のトレーニングは「2対2+GK+サーバー」。1つ前のトレーニングから、人数を増やし、実戦に近づけていく。

楠本コーチは、中央からサイドにパスが出た際に、「ボールの移動中は、相手がボールを触ることができない」と説明し、「ボールばかりを見るのではなく、ボールの移動中にゴール前を観て、その間にコーチングしよう」とアドバイス。

クロス対応の準備として、心がけたいのが、ボールの移動中に「ゴール前の状況を確認する」「ポジションをとって構える」「味方に指示を出す」の3つだ。

ボールの移動中は、クロスボールが飛んでくる心配がない。そこで、素早くゴール前の状況を確認し、相手選手でフリーの選手はいないかを確認する。もしいる場合は、味方のどの選手に、マークさせるかの指示を出す。

そしてGK自身はクロスに対応できるポジションをとり、ボールと相手の両方を観ることのできる身体の向きを作り、ボールの移動とともに、向きを変えながら、開始姿勢を取り続ける。

そしてGKが対応する場合は「キーパー!」と声を出し、ボールにチャレンジする。味方が対応する場合は「クリア!」などのコーチングをすることで、すべきプレーをうながしたい。

どこが一番危ないのかを見極める

最後のトレーニングは「2対3+GK+3サーバー」。楠本コーチは「どこが一番危ないのかを見極めよう」と話し、「全部の選手に指示を出すのは難しいから、一番危険なところからコーチングしよう」と優先順位を伝えていた。

ここでは、ポジションニングの考え方について、選手にアドバイスしているので、GKに大切なポジションニングを学びたい人は、ぜひ動画で全容を確認してほしい。

以上でトレーニングは終了。

楠本コーチは「GKのプレーを分析する際には、ボールにプレーする前、プレーするとき、プレーした後に分けると、見やすくなります」と話し、「トレーニングでは、一気に階段を上がろうとせず、一段ずつ上がること。14歳までに正しい動作、フォームを身につけることが大切です」と、アドバイスをくれた。

およそ30分の動画に、GKのプレーの考え方、基礎基本が詰まっている。GKのプレーを向上させたい指導者にとって、必見の動画と言えるだろう。

ぜひ繰り返し観て、若きGKの成長に役立てていただければと思う。

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【講師】楠本晃義/
大学卒業後、川崎フロンターレで指導者キャリアをスタート。30歳の時に栃木SCへ移籍し、アカデミーコーチを経て、トップチームのコーチを経験。J2昇格を果たす。その後、地域の子どもたちの育成とサッカーコーチの養成を行うため、「LIALL GK ACADEMY」「LIALLスポーツクラブ」を設立。現在は、日本サッカー協会JFAコーチ、栃木県サッカー協会FAコーチも務めている。

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