サッカー練習メニュー
2024年8月 5日
多彩な攻撃を繰り広げたいチーム必見！ 中盤からアタッキングサードへの侵入と、効果的なサイドバックの活用を高めるトレーニング
サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、強豪チームや豊富な実績を持つ指導者による、トレーニング動画を配信中だ。
前回より、千葉県の強豪クラブ・FCクラッキス松戸ジュニアユースの廣田大輔コーチによる「中盤からアタッキングサードへの侵入と、効果的なサイドバックの活用」をテーマとしたトレーニングを公開中。
COACH UNITED ACADEMY動画後編では「立ち位置の変化とボールの出し入れでタメを作り、サイドを活かす」をポイントに、ゲーム形式のトレーニングでサイド攻撃を磨いていく。（文・鈴木智之）
ゴールがある中央を意識する
後編最初のトレーニングは「５対５＋２サーバー（４ゴール）」。グリッドの四隅にコーンでゴールを設置し、ドリブル通過かスルーパスインで１点となる。どちらのサーバーを使用しても良く、前方のサーバーを経由してゴールラインを突破したら２点というルールだ。
廣田コーチは「実際の試合であれば、真ん中（サーバーの位置）にゴールがあるので、そこを意識しよう」と声をかけ、トレーニングがスタートした。
ここでは「ボールを受けられる、もしくは次の次に受けられるポジションを意識しよう」と声をかけるとともに、サイドに相手を引きつけておいて、縦のサーバーを経由して、逆サイドに展開したプレーを称賛。
「逆サイドの選手が、時間がある状態でボールを受けられたのは、縦パスをサーバーに入れたから」と説明し、その後、ゴールを奪えなかったことについて「突破が目的なので、スペースに速いボールを配球しよう」「ただパスを出すのではなく、次にどんなプレーをしてほしいかを考えて配球しよう」と改善点を伝えていた。
さらには「目的はゴールなので、まずは前を観ること。そして、サイドの選手は高い位置をとる。味方が高い位置をとる時間がなければ、ショートパスで時間を作ろう。相手を変化させて、サイドが上がっていく時間を作ろう」とアドバイス。
このコーチングによって、良いプレーが出始めていた。詳細はぜひ動画で確認してほしい。
手前と逆サイドの両方を観ておく
最後のトレーニングは「７対６＋GK＋サーバー（１Way）」。７人チームは３－２－２システムでゴールを目指し、６人チームは３－２－１で、２箇所あるコーンゴールを目指す。コーンゴール側にはサーバー（１Way）を設置するという設定だ。
廣田コーチは「まずは積極的にゴールを目指そう」と声をかけ、プレーがスタート。「サポートしてあげよう」「隣を観て動いてごらん」など、周囲を観て動くことに、意識を向けるよう働きかけていく。
ここでは、攻撃側に対して「守備の状況が整っているのであれば、立ち位置を変えよう」とコーチング。
ボール保持者に近づくことで相手を釣り出し、空いたスペースを使うといったことを説明し、「ショートパスを使って相手を変動させよう」「手前と逆サイドの両方を観ておく」といったポイントを提示していった。
ゴールを目指す際に、ポイントになるのが中央の選手の動きだ。ボール保持者に対して、中央・縦ラインの選手は、チェックの動きをすることでマークを外し、時間のある状態でボールを受ける。
そうすることで、サイドの選手が前方へ進入する時間を作ることができる。廣田コーチは一連の流れをデモンストレーションし、「自分がどの役割なのか。真ん中で相手を引きつけたほうがいいのか。サイドの選手に高い位置を使わせるのか。そこまで考えて動いてみよう」とアドバイスしていた。
コンビネーションから効果的にゴールを目指す
トレーニング終了後、廣田コーチは「後編では、どのようにサイドのスペースを活用していくかというトレーニングを行いました。まずは中央突破を狙い、そこでできたスペースを、誰がどのように使うのかがポイントになります」と説明。
そのためには、安定してボールを握ることが重要になる。
廣田コーチは「適切な技術の発揮やオフ・ザ・ボールのときに、周囲を観ておくことが大切です。それができれば、立ち位置の変動や隣を観て動くといったコンビネーションが生まれ、効果的にゴールを目指すことができると思います」と総括した。
今回のトレーニングはサッカーの原理原則をベースに、個人戦術を理解し、考えて判断し、行動することに働きかける内容になっている。
中学生はもちろんのこと、小学校高学年でも実施できる内容になっているので、「COACH UNITED ACADEMY」の動画を参考に、ぜひともチャレンジしていただければと思う。
【講師】廣田大輔／
大学卒業後、順天堂大学健康・スポーツ科学科目履修生となり、鎌ヶ谷西高校サッカー部コーチとして指導者のキャリアをスタート。その後、江戸川大学フットボールクラブにて5年間コーチをつとめた後、現在のFCクラッキス松戸（中学生）、まつひだいSC（小学生）の指導に約15年あたっている。JFA公認A級U-15コーチであり、2006・2007年度千葉県大学選抜チームコーチや千葉県4種ブロック技術委員もつとめている。