コレが身につく!
異なる世代、異なる能力の仲間とコミュニケーションすることで、チームワークの必要性や「教える、教わる」ことの大切さを学んでいきます。
子供たちが「考える」時間と場を提供する
「子供たちは、大人が指導し始めた瞬間から、考えることを辞めてしまう」と池上コーチは言います。そして、考えること、自らの選択によってプレーすることは、とても楽しいことだということをカラダで感じられるのが池上コーチのスクールです。「ここは私にサッカーを教わる場ではありません。子供たちがプレーしていくなかで自らたくさんのものを吸収していく場。自分のペースでプレーをして、疲れたら自由に休憩してもいい。全ての行動の前に、子供たち自身が考えることで、責任感も生まれ、なにかに成功した時には確実に成功体験として技術やアイデアが身についていきます。何事も自分がやる気にならなければ身につかない。もっと言えば、この世代から、自分は本当にサッカーが好きなのか、そして、本当にプレーしたいのかを考えることも大切です。親に言われてやらされるのではなく、自ら選択してサッカーを楽しむという意識があってこそ、上達も見込めるわけです」。多くのスクールに見られるのは、コーチが言った通りのプレーを練習し、習得したかをチェックしていくというやり方。でも、成長のスピードは子供たちによって異なるもの。自分で考えるという時間も必要です。自由な環境だからこそ、自分で考える必要性を自覚し、どん欲に吸収しようと行動するもの。サッカーだけにとどまらず、池上コーチの指導内容から学ぶことはとても多いでしょう。
(2010年10月19日 千葉県・市原スポレクパークにて取材) Photo:Takashi Hirama
池上正コーチ//
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーの指導にかかわった後、ジェフ市原・千葉でプロコーチとして活躍。クラブを退任後はNPO法人I.K.O市原アカデミー代表として、定期的にサッカースクールを開催している。