テクニック

2011年2月21日

【第8回】試合観戦でイメージトレーニングをしよう!-攻撃と守備、どっちが大事?

このコーナーでは、Jリーグや大学など、トップレベルのチームで監督として豊富な指導経験を持つ、桑原隆さんに、TVやスタジアムで試合を観て、知識や技術を豊かにしていく"コツ"をお聞きしていきます。

■攻守の切り替えを意識して観戦しよう

「今、サッカー選手は世界的に見ても攻守の両方ができなくてはいけません。そのためには運動量が必要になってきます。昔のFWは、点を獲るだけで良かったんですけど、今はそうもいかなくなってしまいました。

専門職のような選手も必要だとは思いますが、今はオールラウンダー性を持った選手が重宝されるようになってきました。FWではジュビロ磐田の前田遼一選手のように点も取れて、守備もできる選手というのが一つの理想ですよね。一方、DFも守備だけでなく、パス出しもできなくてはいけないし、機を見つけてビルドアップをしなければいけない。また、時には正確なロングフィードも求められます。 最近では、バルセロナのセンターバック、ピケなどがそういったプレーができる選手ですよね。まさに攻撃も守備もそつなくこなすことができて、チームに貢献できる選手です。攻撃と守備両方をこなすというのは簡単ではありません。

では、どうしたらそういった選手になれるのか? もちろん、技術は必要ですが、意識として切り替えの早さが重要なキーワードになってきます。テレビの解説でも、よく「攻守の切り替え」と言っていますよね。

まさに、今はGKが攻撃の第一歩というくらい、守備から攻撃に切り替わるスピードを早めないといけません。またその時、守備から攻撃に切り替わる際の仕掛け方、遅攻、速攻など状況に合った攻撃ができているか、という部分にも注目してみてください。逆に攻撃から守備への意識の変化、それらの状況を注意深く見ていくと切り替えができている選手、できていない選手というのが見えてくると思います。

試合観戦の基本ですが、常に自分だったら、どのようにプレーするかという意識でいることがプレーに繋がってくると思います。さらに皆さんが注目している選手がボールをもらう前にどのような準備をしているのか? どのような姿勢でボールを受けて、どのような考えでパスを出したのか? を考えながら試合を見ると、より勉強になると思いますよ」

桑原隆//

Takashi Kuwahara
1948年5月5日、静岡県出身。藤枝東高校卒業後、古河電気工業で攻撃的MFとして活躍。現役引退後に指導者となり、96年から9年間にわたって監督・コーチ・強化育成部などを務め、ジュビロ磐田の黄金期を支えた。その後、浜松大学監督、横浜F・マリノス監督を歴任。Jリーグや海外リーグ等、サッカー中継の解説者としても幅広く活躍している。

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