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サッカーの1対1は「立ち方と体の向き」「相手との関係が大切」!練習方法も解説

公開:2021年7月 8日 更新:2023年11月 1日

大阪の強豪クラブ、SSクリエイトが教える「攻守における個のスキルを高めるトレーニング」。かつてここまで具体的に、攻撃側、守備側の選手の身体の使い方、足の出し方、反転の仕方などをレクチャーした動画はなかっただろう。その意味で、ぜひご覧いただきたい内容になっている。

サッカーのコーチをしている人で、1対1の練習メニューを知りたい、相手の抜き方のポイントを指導できるようになりたいといった場合はぜひ参考にしてもらいたい。(文・鈴木智之)

(※COACH UNITED 2021年4月26日掲載記事より転載)

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1対1の抜き方は肩から入って、相手の背中に潜るイメージ

SSクリエイトは髙木彰人(ザスパクサツ群馬)を始め、ガンバ大阪の川崎修平、塚元大、興國高時代から注目を集め、横浜F・マリノスに進んだ樺山諒乃介など、個性的なアタッカーを多く輩出するクラブだ。

彼らも学んだ「個の力を高めるトレーニング」。まずは攻守における1対1のポイントを整理したい。高口監督が考える1対1のポイントが以下の項目だ。

ディフェンスの抜き方を身につけるためにも、オフェンスの突破を防ぐためにも、1対1のポイントをしっかりと理解することが大切だ。

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最初のメニューは「1対1(正方形)」。正方形の対角から選手が入り、1対1を行うというシンプルな練習方法。サッカーの練習メニューとしては定番のものだが、ここでもドリブルでの抜き方を身につけることができる。

攻撃側のポイントは「相手の背中に潜ること」。ディフェンスのポイントは、「相手の進行方向を左右どちらかに限定し、ボールに対して近い足(前の足)でアプローチに行くこと」。

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高口監督から攻撃の選手に対して「オフェンスは肩から頭へ、相手の背中へしっかり潜ろう」。守備の選手には「前の足から相手を攻めよう」とアドバイスが飛ぶ。高口監督は言う。

「守備の選手は相手に近寄っていき、良い姿勢を保ったまま、左右どちらかの方向に相手のコースを限定して、ボールに近い方の足からアプローチしよう。遠い方の足を出すと、かわされたときに、相手について行けなくなってしまうよ」

次に攻撃側にアドバイスを送る。

「自分が進みたい方とは逆に、相手を揺さぶろう。かわした後は必ず、相手の背中まで行こうとすること。それがオフェンスのいいプレーだよ。肩から入って、相手の背中に潜るイメージでやろう」このような具体的な声かけは、選手が相手の抜き方を理解する際にも役立つ。

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高口監督は守備側の選手の足のつき方を見て、相手の背中を取ってドリブルで進んでいった選手に「ナイスプレー!」と声をかけていた。

1対1は、守備側の選手にも体の使い方などをレクチャーする

2つ目のメニューは「1対1(長方形)」。攻撃側、守備側の背後にそれぞれゲートを2つずつ設置し、相手の背後にある、2つのゴールのどちらかを通過したら勝ちとなる。

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高口監督は「スピードに乗った状態で、左右どちらに行くか。判断を変えることがポイントになる」と話し、トレーニングがスタートした。

続いて、攻撃側の選手には「これが試合だったら、(相手の背後にある)ゴールを通過した後に、パスを出すことになると思う。そのときに相手がついて来ない方がいいので、相手がついて来ないように、ゴールを通過しよう。相手の前に入ってしまえば、次のプレーが開けるよ」とアドバイスを送っていく。

前編最後のトレーニングは「DFを背負った1対1」。グリッドの設定は変わらず、攻撃の選手がDFを背負った状態でパスを受けてスタートする。

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DFのポイントは「相手の骨盤を触るイメージで強く守ること」。攻撃側は「DFの勢いを利用して足をかけて反転すること」。動画では、この2点のせめぎあいがわかりやすく収録されているので必見だ。

DFは攻撃側がキープしているボールに対し、股下に足を入れて奪おうとする。攻撃側はその動きを利用し、守備側の足に自分の足をかけて反転していく。

高口監督は次のように声をかけ、選手たちの意識を高めていく。

「DFは相手に反転させないように、骨盤を手で触るような距離感でボールにアタックしよう。手をかけたらファウルになるので、気をつけながら守ろう。攻撃側は相手が前に来る力を利用して、裏を取る、足をかけて反転する。細かいことを大事にしてやろう」

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非常に具体的な体の使い方を指示しているので、この部分の動画を見るだけでも参考になるだろう。

さらに攻撃側の選手に対して、「試合中は相手が自分の右後ろから来るか、左後ろから来るかはわからないので、相手に自分の肩を当てて、どちらから来ているかを感じよう。そして、相手の勢いの逆方向へ、足をかけて回ろう」とポイントを教えていた。

前編の動画はここまで。おそらく読者、視聴者の方にとって、初めて知ることばかりだったのではないだろうか。オープンマインドで、ノウハウを披露してくれた高口監督に敬意を表したい。

高口監督は次のように話し、前編のトレーニングを締めくくった。

「1対1に関しては、立ち方や体の向き、相手との関係がいかに大事かを、選手たちに習慣づけできるようなトレーニングが大切だと思います。後編では2対2や2対2+サーバーを行う中で、1対1との違い、『良いパスとは何か』に触れていきたいと思います」

日々の練習方法を考える場合、難しいことや高度なメニューを取り入れてしまいがちだ。しかし、相手の抜き方を学ぶ、ディフェンスの姿勢を身につけるといったことは1対1のようなシンプルな練習方法が役立つ。今回の動画を練習メニューの参考にしてみてほしい。

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【講師】高口豊宏/
関西大学卒業後、指導者の道へ。
2004年に大阪府堺市を拠点にする育成型ジュニアフットボールクラブ「SSクリエイト」を設立し、当初から監督を務める。
OBには高木彰人(ザスパクサツ群馬)、川崎修平(ガンバ大阪)、塚元大(ガンバ大阪)、樺山諒乃介(横浜F・マリノス)らJリーガーも輩出している。

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