考える力

2021年11月15日

子どもたち自身が「考える力がついた」と実感するキャンプで、コーチたちが行っている声掛けと「ライフスキル」指導とは

サッカーの技術だけでなく、人間的な成長を促すサカイクキャンプ。実際参加した子どもにどんな変化があったのか、親御さんは成長を感じているのか。気になる方、いますよね。

この夏のサカイクキャンプに参加してくれたお子さんと親御さん、それぞれの声を聞いたのでご覧ください。

愛知県に住む小学4年生のリュウノスケくんと1年生のシュンノスケくん兄弟は、今年の富士キャンプ(静岡会場)が初めての参加でした。

兄弟そろっての参加ではありますが、1年生のシュンノスケくんが親元を離れて宿泊を伴うイベントに参加するのは初めてだったそう。話してくれたエピソードや感想は「低学年での参加はまだ早いかな」とお思いのお子さんや親御さんのご参考になるかもしれません。
(取材・文:小林博子)

 


夏のサカイクキャンプに参加したリュウノスケ君(左)とシュンノスケ君(右)兄弟

 

<<夏キャンプ参加者の声「自信がなかった息子がキャンプ後も自信をもって声掛けができるようになった」理由

 

■サカイクが提唱する「自分で考えて決める力」に共感

サカイクキャンプ参加は、ご両親からの提案でした。お母さんはこう話します。

「なんとなく始めたサッカーでしたが、お兄ちゃんの学年が上がるにつれて、ポジションやレギュラー争いなどで親の欲のようなものも出てきていました。そんなモヤモヤした気持ちで過ごす日々を送っていた時に出会ったのが、サカイクの『自分で考えて決められる賢い子供 究極の育て方(KADOKAWA)』でした。1冊読み終わるころには、夫婦ともに気づくことが多くモヤモヤした気持ちも一気に晴れ、強く共感。そのメソッドを子どもたちに体感してもらいたいと、キャンプへの参加を提案しました」

試合の結果について自宅でもダメだしをしてばかりだった頃にこの本を読み、子どもたちにサッカーを通して学んで欲しいこと、どんな大人になって欲しいかに着目するようになったそう。ご両親が心から望むのは、サッカーを通して自分で考えて行動する力を養ってほしいということです。子どもたちへの接し方も変わったそうです。

ご自宅ではサカイクのYouTubeチャンネルを2人に見せ、子どもたちも共感。サカイクキャンプで本格的に体験することを2人とも楽しみに当日を迎えました。

 

■自分で考えて行動する力が身に付くキャンプ

参加後の取材では、シュンノスケくんは「自分で考える力がちょっとついたと思う」とはにかみながら教えてくれ、お兄ちゃんのリュウノスケくんは「考える力とコミュニケーション能力に自信がつきました」とりりしい表情で話してくれました。

キャンプに帯同した柏瀬翔太コーチによると、まずリュウノスケくんは「考える力」に違いが現れ、初日より2日目、そして最終日には5つのライフスキルを理解した行動がとれるようになったとのことです。

例えば、チームを組んで試合をする際、ミスをしたチームメイトにかける言葉が相手を敬い、前向きな言葉になったなど、例を挙げればきりがありません。それは、キャンプ後のチームでの活動でも活かされているといいます。

キャンプ初日に学ぶ「5つのライフスキル」は、考える力のほか、感謝の気持ちコミュニケーションリーダーシップなど、サッカー選手としてはもちろん、これから生きていくうえで大切なスキルばかりです。それは、ご両親が願う「サッカーを通して学んでほしいこと」にほかなりません。

 

■低学年は「感謝」「チャレンジ」にフォーカス

サカイクキャンプでは、低学年の子どもたちには5つのライフスキルのうち「感謝する心」「チャレンジ」の2つについて話します。

感謝の気持ちは、3日間の生活の中でコーチが少しずつ実感させてくれます。例えば、衣類や道具を自分で片づけることで、普段道具を買ってくれたり、洗濯や手入れをしてくれているご両親への感謝の気持ちに気づくこと。サッカーグラウンド以外の場所でも学ぶことはたくさんありました。

チャレンジは、「失敗してもいいからやってみる」ではなく、「失敗を怖がらず成功するようにやってみる」という姿勢を重視します。「"ダメでいいからやってごらん"ではなく、考えてチャレンジするように声をかけ、できたことを認めます」と柏瀬コーチ。

最年少の1年生で参加した弟のシュンノスケくんは、キャンプで嬉しかったことを聞くと「サッカーのプレイでスーパー1年生って言われた!」とはじけるような笑顔で教えてくれました。

 

自分で考えて行動する力がつくサカイクサッカーキャンプとは>>

 

■キャンプでは低学年も自分の荷物を自分で片づけたり、身の回りのことを一人でやる

コーチによると、シュンノスケくんは試合中、周りをしっかりと見てその時に最善となる行動(ドリブルで突破するのではなくパスを出す......など)にチャレンジでき、それが結果につながったことから最上級の誉め言葉である「スーパー1年生」という表現を使ったそうです。シュンノスケくんが宿舎で自分の荷物を一生懸命片付けていた姿も印象的で、そんな生活態度も含めての褒め言葉だったそうです。

低学年において、5つの中で「感謝」「チャレンジ」にフォーカスしているのは、わかりやすい聞きなれた言葉であることと、サッカー以外の生活の場でも発揮できるスキルであることが理由です。その2つが身に付けば、おのずと残り3つにもつながっていく点も加味しています。

「私たちは学年に関わらず、子どもたちの5年後、10年後の姿を想像して指導しています。大人になったときに迷わず、自分で考えて決められる人になってもらうためにはという観点で接しています」と柏瀬コーチ。

その学年に応じた理解しやすさや実践しやすさを計画的にプログラムし、長い目で「ライフスキル」の構築をサポートします。子どもたちは大好きなサッカーを通して、サッカーの技術だけでなく、かけがえのない一生もののスキルを身に着けて帰っていきます。

 

■褒められ、認められるサッカーで自信も育もう

キャンプ中は、些細なことでも褒められ、認められ、子どもたちは自信をつけていきます。

「所属しているクラブチームでは試合に勝つために、サッカーの技術やチームプレーを学ぶ場所。時には厳しいことを言われて自信を失って帰ってくる日もあります。それに対してサカイクキャンプ自信を付てくれる場所である点も魅力的です。親ではなく第3者から褒められる機会はこれからもたくさん作ってあげたい」とお母さんは話してくれました。

「また参加したい!」と口をそろえて言うシュンノスケくんとリュウノスケくん。親御さんも「スケジュールが合えばぜひ参加させたい」と言ってくれました。

 

初心者でも自然と長く書けるようになるサッカーノートとは>>

 

1

関連する連載記事

関連記事一覧へ

関連記事

関連記事一覧へ