サッカーにおけるスポーツマンシップ いま伝えたいフェアプレー
サッカーには守るべきルールの他に、選手や監督、サポーターが常に胸に留めておかなければいけないことがあります。
莫大なお金が動くようになった現代サッカーでは、プロフェッショナル=結果至上主義という面が強調されすぎて、勝つためには手段を選ばないという残念なプレーも見られるようになりましたが、サッカーの本質はフェアプレーにこそあります。
イングランドのFAカップでアーセナルのベンゲル監督がとった行動や、日本で起きた事例をご覧ください。
若きバルサの選手たちが見せた、世界に賞賛されたフェアプレーとは
サッカーを通じて子どもたちに伝えたいフェアプレー。
フェアプレーの精神は時代が変わっても、技術が進歩してもずっと変わらない、サッカーの「根っこ」の部分です。
バルセロナの下部組織で若き選手たちが見せた紳士的な行為から、フェアプレー精神を考えてみましょう。
そこには勝利より大切なものがあるのではないでしょうか。
子どもが21歳になったときどんな人でいてほしい? サッカーで身につく3つの社会的スキルとは
あなたは、なぜお子さんにサッカーをプレーする環境を用意しているのでしょう。
サッカーにかぎらずスポーツをするメリットは、競技力向上だけに留まらず、子どもが立派な大人になるために必要な、多くの要素を学べるチャンスでもあるのです。
アメリカで行われた調査によると、子どもたちにサッカー、ダンスを習わせている親は、「時間管理」「チームワーク」「フェアに競うこと」を活動を通じて身につけることを期待しているそうです。
サッカーを含むスポーツで培うことのできる社会的な能力について親が心得ておきたいこととは何か、一緒に考えてみましょう。
サッカーの技術よりも子どもに伝えるべきたったひとつのこと
「スポーツを通し、しっかりとした人間性を育みたいです」
こう話してくれたのは、NPO法人MIPスポーツ・プロジェクトの相沢雅晴さん。相沢さんは現役時代、日本代表の主将として活躍したラガーマンで、読売クラブ(現・東京ヴェルディ)の下部組織などでサッカーをしていた経歴を持ちます。
MIPスポーツ・プロジェクトは、「フェアプレーの精神」「ノーサイドの精神」などラグビーの精神を、MIP・FCの子どもたちに熱意を持って教えています。
「子どもたちには何のためのルールかを考えさせ、その上でルールにはないモラルについて熟慮させ、それらを身に付けさせるようにしています」
相手は"敵"ではなく審判は"あら探しをする対象"ではない
立場が違う人のことを理解することを『尊重』と言います。英語で言えば『リスペクト』です。
スポーツマンシップの中核にあるのが、この『リスペクト』です。スポーツを通じてリスペクトを学び、身につけることができます。自分と立場が違う相手や審判がいないと、スポーツは成立しません。
立場が違う人たちの間に『リスペクト』が成立するのは、「プレイして楽しむ」という共通の目的があるからです。この原則を理解することが、スポーツの基本ですが、原則はルールには書かれていません。
では、どうやって理解すればよいのでしょうか。