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- 蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
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パパの強い希望で強豪チームに入団したけれど、ひざと踵(かかと)の痛みで休みがちになり「やめたい」という息子に対して、中々やめさせないパパの狭間で揺れ動くママ。
自身もサッカー少年少女の母として子育てした経験を持つ、教育・スポーツジャーナリストの島沢優子が、読者の悩みに答える『蹴球子育てのツボ』。今回は、試合の日には泣いたり、暴れたりするほど苦しんでいるわが子を救うアドバイスをお送りします。(文:島沢優子)
<サッカーママからの相談>
11歳の男の子の母親です。
息子はサッカーは好きで上の子より飲み込みが早く、親は期待して強豪チームに入れました。特に主人はそのチーム推しで、いやだと言える状況じゃなく、5年生の半分は頑張りましたが、膝の痛みがでてからはサッカーに行きたがらなくなりました。
試合の日は連れて行くのも可哀想になるくらい、泣いたり、暴れたり。
それでも行けばしっかりやってきていました。帰りはいい顔つきをしていて「頑張ってきたんだ」と感じます。
しかし、膝の痛みと踵の痛み病院やマッサージ色々していますがよくならず、それもあって更に練習や試合に行きたがらず、休みが増えています。
子どもは「やめる」と何度も言いますが、主人が厳しいためすんなりやめられず……。
私も「頑張って欲しい」という気持ちと「もうやめていい」という気持ちで揺らいでいます。やめるか続けさせるか、どうしたらよいでしょうか。
<島沢さんのアドバイス>
■自分に置き換えてサッカーをやめたい息子の心情を理解する
ご相談していただき、ありがとうございます。文面からして、息子さんはサッカー選手として大きなピンチを迎えているようです。そして、この息子さんを救えるのはお母さんしかいないようです。
まず、お母さんにお尋ねします。例えばお母さんが会社員だとしましょう。吐き気がするような激しい頭痛に毎日悩まされているとします。近くのお医者さんに行ったけれど、治らない。でも、夫に「我慢して会社に行け!」「働いてこい!」と言われるので、会社に行く――。
そんなご自分の姿を想像してください。いかがでしょうか。耐えられますか? もし、そんな状態になったら、以下のような三つのことを考えませんか。
1.近くの医者では治らないから、ほかの評判の良い病院を探して治療を受けたい。
2.会社は好きだし働くのは楽しいので辞めたくはない。でも、頭痛がするまま仕事をしても、自分も辛いし周囲にも気を使わせる。
3.少し休暇をもらいたい。
もうおわかりですね。会社員は「息子さん」、会社は「サッカー」、「頭痛」は膝や踵の痛みです。お母さんは大人なので、1~3を考え、実際に行動に移すことができますが、息子さんはまだ11歳なのでそういった主張ができません。
ここはお母さんに救ってほしい。ご相談の最初の数行だけ読むと、子どもの権利に認識のある第三者から見れば「児童虐待」ともとれる状況です。
なぜなら、膝や踵が痛くて試合に行くのを「泣いたり、暴れたり」して嫌がっているのを無理やり行かせている。「それでも行けばしっかりやって」くるし、帰りはいい顔つきをしている。そして、お母さんは息子さんが「頑張ってきたんだ」と感じる。
これらについて、本当に申し訳ないのですが、どうも理解ができません。どうして痛がる11歳の子を無理にプレーさせて、痛みに耐えて頑張ったと感じてしまうのか。
感情論ではなく、ここは冷静に、論理的に状況を整理してみましょう。以下に、私なりの解決方法を「三段階の見直し」としてご提案させてください。
文:島沢優子
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