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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
スクールではのびのびやってるのに所属チームだと萎縮するっていう問題
公開:2018年4月18日
■考える力をつけるには悩む時間も必要
※写真はサカイクキャンプのものです。 質問者及び質問内容とは関係ありません
そして、最後にもうひとつアドバイスさせてください。
お子さんへのサポートは大事ですが、サッカーに干渉しすぎないように気をつけてください。
コートのなかに入ったら、そこはコーチと子どもたちの世界です。コーチも彼が萎縮していることはわかっているはずです。
「いや、わかっていない」と思われたとしても、例えば「その子達も一生懸命やっている中でのことなので気にしなくて良いと伝えてはいる」といったことは、もしかしたら余計なことかもしれません。
「なかなかプレーが改善されない」というジャッジも不要。話の長いアドバイスもやめましょう。親の「こうしたら、ああしたら」があまりに長いと、子どもは自信を失います。
「ここまで言わせちゃうダメなオレ」を自覚させられるからです。
もちろん、お子さんから「気にしちゃうんだよね」などと相談されたのであれば、親御さんの意見を言ってあげていいでしょう。
そうでなければ、ほっとけばいいのです。
「ほっとく」は、決して放任や無関心ではなく、自分で考える力や判断する力をつけるために必要な行為です。
萎縮して悩んでいる姿を見るのは切ないですが、今の子育ての風潮としてすぐにアドバイスを送ったり、解決法を示し子どもを動かすことが多い気がします。悩む機会さえも奪っているわけです。
まずは「見守っているよ。チームを移りたくなったら言ってね」くらいの声掛けでよいでしょう。
悩む時間を笑顔で見守り、「悩む力」をぜひつけてあげてください。
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。
最新刊は、ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)。
文:島沢優子
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