JFAグラスルーツ推進部部長が行く!あなたの街のサッカーチーム訪問
2017年4月10日
もう一つの選択肢としての「学校が絡むクラブ」が、出場機会と成長を与えてくれる
日本サッカー協会(JFA)グラスルーツ推進部の松田薫二部長が幕張総合高校を取材した2回目の今回は、クラブの代表で幕張総合高校サッカー部監督を兼任する島田洋監督に「NPO法人幕総クラブ」の将来像について引き続き話を聞きました。(取材・文:木之下潤)
<今回訪問した幕総クラブは以下の賛同パートナーです>
■幕総クラブはダンス、水球、クライミングもある
幕総クラブのユースチーム『FC.MAKUHARI』と幕張高校サッカー部との素晴らしい在り方が公立高校で実現している事に驚いたと語る松田部長。
幕張クラブは、スポーツを通じて地域に根差したコミュニティ作りを行い、地域社会に貢献していくことを理念としている総合型スポーツクラブであり、他のスポーツ活動も行っています。そこで他のスポーツはどんな活動をしているのかお話を聞きました。
「サッカーの他にはダンス、水球、クライミングがあります。ダンスと水球は小学生が中心、クライミングは県内に活動場所が少ないので子供から大人まで幅広い人たちが活動しています」
「指導者は、ダンスは幕張高校ダンス部のOB、サッカーもですが、水球とクライミングについては地域に住んでいらっしゃる経験者の方も指導に当たってくれています。クラブの理念が実っていることは大変に嬉しい限りです」と答えてくれた島田監督。松田部長も「地域に根付いてきていますね」と感心しきりでした。
幕総クラブはどのスポーツも幕張総合高校の施設を利用し活動を行っています。4つのスポーツで地域の人たちとともにコミュニティ活動をできている同クラブは、学校解放をうまく活用している一つの大きなモデルケースと言えるのではないでしょうか。
当然そこには学校の理解があってクラブの活動が成立しているのだと島田監督は言います。
「前校長の時に立ち上げたのですが、相談したら『いろいろ考えていてもなるようにしかならないから思い切ってやりなさい』と背中を押してくださいました。そのおかげで現校長も着任前からクラブの存在を知ってくれていて、すごく理解をしてくれています」
■地域の発展を考えれば学校はそのきっかけになれる
(写真提供:NPO法人 幕総クラブ)
もとは幕張総合高校サッカー部のOBたちが卒業後もサッカーを楽しむ場としてスタートした幕総クラブ。その社会人チームは現在千葉県リーグの2部に所属し、「将来的には関東リーグやJFLで活動し続けるチームとして独立させたい」と島田監督。
そうすることで地域に住む大勢の人たちが応援できる楽しみができるし、わが町のチームの一員として、選手もスタッフも地域とともに生きて行く糧になるからだと言います。
「サッカーにおいては、トップチームは強化チームとして幕総クラブから独立させる形で会社化し、育成普及はNPO法人として学校解放を利用して地域の子どもたちにサッカーを楽しんでもらう場を作っていくというところを目指しています。目指す場・応援する場があり、プレーする場がある。海浜幕張は昨年ZOZO PARK(サッカーコートや屋内フットサルコートを備えたスポーツ施設)が完成し、今後も土地開発が進んでいきます。ですので、育成の場とプレーをする場の提供というサイクルを作れば、しっかりとした地域貢献活動ができるはずなんです」
将来的にトップチームと育成普及を切りわけて運営したいと語る島田監督のビジョンに松田部長も賛同します。
「私もトップと育成普及を分ける考え方は良いと思います。ヨーロッパのプロクラブも元々は非営利のクラブでしたが、莫大なTV放送権料やスポンサー収入が入るようになりビジネス化が進んだためトップを含めた強化部門を営利組織としました。Jリーグのクラブはプロチームから作られたので株式会社がほとんどです。しかし、株式会社では経営が悪化するとコストセンターの育成普及部門は縮小されがちになります。湘南ベルマーレはプロチームの経営に左右されないように、育成普及部門をNPO法人として独立させました。それにより地域の支援も受けやすくなりました」
公立校の学校解放事業をきっかけに「幕総クラブ」は様々なスポーツを通じて地域に新たなコミュニティ活動の場を提供しています。
実は3月に教員を辞めてしまう島田監督。取材の最後に「最近、体罰やいじめなどの学校問題が頻繁に報道されていますが、学校が地域の人たちと関わりを持てばいろいろと解決できることもあるのではないでしょうか」と教師ならではの考えを示してくれました。
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