あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]
2023年12月22日
公式戦が始まるまでに「どんな時に何を見てプレーするか」を理解させたい、お団子サッカーから視野を広げる方法を教えて
■低学年から「相手がどう動いてくるか」を考えさせることで判断する力を養う
サッカーは相手がどう動いてくるかわかりません。0点何秒かの世界で判断しなくてはいけません。小学生の低学年、もしくはもっと小さいときから「どっち?」と考えさせなくては視野を確保し判断できる力を養えないのです。
例えば、この5対2の練習は、学年全部を混ぜてやってもよいでしょう。サッカーの認知力の高い高学年が「ここ、ほらパスできるよ」「こっちに動いて」と言ってくれたりすると、下の学年は少しずつ見る力がついてきます。
例えばブラジルは子どもから大人まで一緒にやるストリートサッカーで、賢い子どもが生まれます。集団を縦割りにするなどするメソッド化ができたら、面白いと思っています。
実際に、指導者になった私の教え子は、3年生と6年生を一緒に練習させたり、そこにコーチや高校生も混ぜたチームで練習させたりします。見ていると、小学生が非常に賢いです。ご相談者様の言う「サッカーの形」になっています。ひとりで勝手にドリブルしたりしません。3年生もちゃんと視野を確保でき、大人と遜色ないプレーをします。どうしたらかしこい選手を育てられるか? と考えると、大人と子どもが混じってサッカーをする「究極の縦割り」が効果的だと考えます。
以下が冒頭でお伝えした、関連のアーカイブ記事です。ぜひ参考にしてみてください。
サッカー初めての子たちに楽しく基礎を教えるメニューが知りたい
攻守の切り替えをどう教える? 身体の向き、その時何を見ればいいのか、子どもたちに理解させる方法を教えて
味方がパスを受けやすくするための動きが分かってない子どもたちに、理解させる方法を教えて
池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。