なぜボールを迎えに行くの?→一度、ボールと反対方向にフェイクを入れ、相手を引きつけておいてボールを迎えに行く(右の図)
競技レベルが上がれば上がるほど、素早く丁寧にボールをコントロールし、次のプレーに移ることが大切になります。実際のプレーでは、相手から離れたところへボールを置く、ワンタッチでボールを運ぶなど、相手をいなすようなボールの持ち方、置き方ができるようになるのが理想です。そのためにオランダでは、U-8からU-15の年代まで、このようなコントロール&パスの練習をたくさん行います。
グラウンドが広く使える場合は、3つか4つのグループに分けて、競争をさせるのもおもしろいでしょう。時間を競うなどしてプレッシャーをかけると、より質の高い練習になります。この練習は負荷が軽いので、ケガの心配もありません。ウォーミングアップの一貫として行うのもいいと思います。
オランダサッカーの特徴は選手同士が距離をとり、敵のいない所へ素早くボールを運び、キープすることです。そのようにボールを動かすと、相手はボールを取りに行くために、長い距離を走ることになります。そのため、プレッシャーを掛ける人数も少なくなり、なかなかボールを奪うことができなくなります。
ただし、オランダサッカーの武器である「グラウンドを広く使い、ポジションを取る」ことが、弱点に変わる場合もあります。ボールを奪われたときに味方との距離が離れているので、一気に自陣ゴールまで攻め込まれる可能性が高くなってしまうのです。
正確で強いパスを出すために、左足で受けて(左の図)
右足でパス(右の図)
このようなピンチを避けるためにも、絶対に奪われない「精度の高いボールコントロール」と、味方が敵のプレッシャーを回避できるような「正確で強いパス」が必要です。オランダのサッカーを実践するために、サッカーの基礎である「止めて」「蹴る」は、どの年代になっても鍛え続ける必要があると言えるでしょう。