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東日本大震災から2年――いつ起こるかわからない大災害から、子どもたちを守るために

公開:2013年3月11日 更新:2023年6月30日

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 3月11日は私たちにとって忘れることのできない日です。今日は日本中、もしかしたら世界中で、多くの人たちがあの日を思い、東北を思い、気持ちを新たにすることでしょう。
 
 あの日、子どもたちがボールを追う姿が消えた東北でも、徐々に賑やかな声が戻っています。真の復興に向けて、まだ先が見えないこともたくさんありますが、私たちは引き続き「自分たちにできること」「サッカーファミリーの一員としてできること」を一歩一歩やっていくしかありません。
 
 今日考えたいのは“もしものときの備え”についてです。
 
 サッカーの練習中、大きな地震が襲ってきたら? 大津波がやってきたら? 遠征先で交通が麻痺して帰宅難民になってしまったら? 考えたくもありませんが、災害はいつ何時、誰に襲いかかるかわかりません。
 
 大切な子どもたちを守るために・・・・・・。災害に対する備えはできていますか?
 
 

■子どもたちを守るために ガイドラインを作成してみよう

 サッカークラブの多くは運営形態こそ違っても、任意の団体として活動をしていると思います。
 学校教育と違い、災害時のルールや、指針となる共通のガイドラインが上から降りてくるわけではないので、ルールを決めるにしても何から手を付けたらいいのか戸惑っているチームもたくさんあるでしょう。
 
 子どもたちを引率している最中に災害が発生したら、どうすればいいのか?
 親御さんたちは、子どもたちは、どういう行動をとればいいのか?
 
 ヒントになりそうなのは次に紹介する文科省が示している「学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き」 です。
 
このガイドラインでは防災へのアプローチとして
  1. 事前の危機管理
  2. 発生時の危機管理(命を守る)
  3. 事後の危機管理(立て直す)
の3つに分けています。 
 
かなり細かいところまで書かれているので、まずはこれを熟読してもらうとして、今回スポットを当てるのは、平時に求められる事前の危機管理。備えあれば憂いなし、いつ起きるかわからない災害にどのような備えが必要なのでしょう?
 
 まず求められるのは、災害発生時の対応フローチャートでしょう。
 A4一枚程度でもいいので、クラブとして必要な手順「誰が、いつ、何を」を決めておくと、いざというときの混乱を最小限に抑えられます。
 たとえば、練習場所に応じて避難場所を確認しておけば、指導者の方が子どもたちをどこに避難させているかが明示されます。
 地域の避難所はYahoo!JAPANでも提供しています。 
 
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■親子で確認 いざというときに備えよう

 もし地震が来たら? 親子で確認しておくことも大切です。子どもは上記の避難所から動かずに親が迎えに行く、基本的なことですが、これを徹底していないと、お互いに探しに動きまわった結果、なかなか見つからないケースもあり得ます。
 
 安否確認は災害発生時の重要な要項です。特にお子さんの安否は親としてはなんとしても一番に知りたい情報です。
 
 災害用伝言ダイヤルの使い方を覚えておくことも大切です。
 もしチームにいるときに災害が起きた場合は、引率者が一人ひとりに電話連絡をするよりも、災害用伝言ダイヤルに安否情報を一括で登録して、確認する手順を決めておけば、比較的迅速に安否の確認ができるはずです。
 
 災害伝言ダイヤルの使い方は東京都の防災ページに詳しく載っています。
 このサービスは、災害発生時にしか使えませんが、使い方に慣れてもらうために、体験日を設けています。一度お子さんと練習してみてはいかがでしょう?
 
【体験日】
毎月1日・15日
防災週間(8月30日~9月5日)
防災とボランティア週間〈1月15日~1月21日)
正月三が日〈1月1日~1月3日)
 
東京都防災ホームページ
 
 東日本大震災の際にはこれに加えてソーシャルネットワークも力を発揮しました。
 twitterやFacebookなども安否確認に使えますし、Googleが提供している「パーソンファインダー」は災害用伝言ダイヤルとも連動しています。Googleが提供する災害情報をまとめたサービスGoogle クライシスレスポンス/災害情報も有用でしょう。
 スマホ人口も増え、インターネットは無くてはならないライフラインのひとつになったのですが、過信はもちろんいけません。
 
 大規模災害では、ネットがつながらない状況も予想されます。
 
 たとえば紙の地図を持ち歩くのもひとつです。引率者になる可能性がある方は『震災時帰宅支援マップ』を備えておくと良いでしょう。
 『震災時帰宅支援マップ首都圏版』はスマホアプリでも登場しています。地図データをSDカードにダウンロードできるので、災害時など通信できない状態であっても確実に利用できます。
 
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■いつか来るかもしれない災害に備えて

 子どもたちを守るために何ができるのか。
 
 いくつかのクラブに聞いてみましたが、ガイドラインやマニュアルを策定しているというクラブはごく少数のようです。
「何かを決めて文書化してしまうと、責任を負うことになる」そんな躊躇もあるのかもしれません。「学校とは違ってあくまでもボランティア」そんな声も聞こえます。
 
 しかし、災害発生時のフローチャートやマニュアルを決めておく、明文化しておくことことで、いざというときの個人の裁量や判断を減らすことができるのも紛れもない事実です。地震や津波はいつか来るかもしれないリスクです。それぞれがそれぞれの立場でこのリスクを考え、対処法を練っておくことが必要です。サッカーに限らず、スポーツに一生懸命な子どもたちは、親から離れた場所で活動する機会も多いでしょう。普段から親子間でルールを決めておき、避難の手順を確認しておくことが、安心につながります。「うちではこんな対策してます」「こんなガイドラインを作りました」などなど、あなたのチームでの災害対策を共有してディスカッションするのも多くの人に役に立つ情報になります。情報をお持ちの方はぜひ、教えてください。
 
【リンク集】
「学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き」
全国の避難所情報 Yahoo!JAPAN
東京都防災ホームページ
クライシスレスポンス/災害情報
『震災時帰宅支援マップ首都圏版』(有料アプリ)iPhone版
『震災時帰宅支援マップ首都圏版』(有料アプリ)Android版
 
 
大塚一樹(おおつか・かずき)//
育成年代から欧州サッカーまでカテゴリを問わず、サッカーを中心に取材活動を行う。雑誌、webの編集、企業サイトのコンテンツ作成など様々 な役割、仕事を経験し2012年に独立。現在はサッカー、スポーツだけでなく、多種多様な分野の執筆、企画、編集に携わっている。編著に『欧州サッカー6大リーグパーフェクト監督名鑑』、全日本女子バレーボールチームの参謀・渡辺啓太アナリストの『なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか』を構成。
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文/大塚一樹 写真/サカイク編集部

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