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真夏日はプールへ! サッカーに効く水中トレーニング

公開:2013年8月 2日 更新:2023年6月30日

キーワード:トレーニング

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 水泳指導のプロフェッショナルである中央大学理工学部教授、水泳部監督に親子でできるトレーニングをお聞きする連載の第2回は『サッカーに効く』水中トレーニング。髙橋先生は、現在韓国で行われている東アジアカップの韓国代表でフィジカルコーチを務める池田誠剛さんからの依頼を受けて、ジュニア年代のサッカー選手たちに水中トレーニングの指導をしたことがあるそうです。中でも浦和レッズジュニアユースは毎年夏になると中央大学を訪れ、髙橋先生の指導を受けているとのこと。リカバリーやリハビリでも注目を集める水中トレーニングを、親子でできる簡単メニューを中心に紹介してもらいました。
 
 
<<暑い夏は親子でプール? 誰でも簡単に泳げる方法
 
 

■不安定な水中がトレーニング効果を生む

「水中には『水圧』と『抵抗』があります。水の中で身体を動かすことは、どんなスポーツにも効果的です。何より水の中で身体を動かすと、血液の循環が良くなって健康になります」
 
 髙橋先生が言うように、水中では適度な圧力があり、さらに水の抵抗を感じることで自然な負荷をかけられるため、身体に負担の少ない、それでいて密度の高いトレーニングが可能になります。気温より水温の方が低いことから、スポーツのクールダウンにプールに浸かるなんて利用法もあります。
 
「水の魅力、水中でもっと色々なことができるというのも私がお伝えしたいことのひとつです」
 
 水の中では、地上と同じようには動けません。地面からの反力も得られないので、踏ん張ることができず不安定ななかで身体を動かさなければいけません。この不安定さが、トレーニング効果を生むのだそうです。
 
 

■水の中を歩いてアジリティ強化

【ウォーキング】
「やわらかい抵抗を感じながら水中をゆっくり歩くだけでも、身体のブレ、重心のズレなどが見えてきます」
 髙橋先生がまず紹介してくれたのは、ウォーミングアップとしてやってほしい、水中を歩く「水中ウォーキング」です。
 
①水中を歩く
②後ろ向きに歩く
③横向きに歩く
④横向きに足を交差させてステップ
⑤④とは逆の足を前にして交差
 
 これくらいのバリエーションでやるとラダートレーニングなどで鍛えられるアジリティ(俊敏さ)が身につくと言います。もちろんこれはプールの底に足をつけてOK。浅めのプールでやるのがいいかもしれません。
 小学校高学年くらいになれば、トレーニング種目としてやるのもアリですが、小さいお子さんにはやはりお父さん、お母さんが一緒にやることが重要です。浅いプールで競争したり「次は後ろ向きで歩いてみよう」と、遊びの要素を入れてあげるといいようです。
 
 

■身体の芯から力を出す

【ジャンプ】
 次にトライしたいのが、水中でのジャンプ。抵抗がある水の中でジャンプするのは意外と大変です。
「地上では簡単にできる動作も、水の中では“正しい身体の使い方”をしないとできなくなります」
 力任せに飛ぶのではなく、うまく身体のコアを使うとジャンプする感覚がつかめるようになります。
 
①水中でジャンプ
②片足でジャンプ 左右両方
③大きくジャンプ
 
 小さいお子さんの場合は両親が手を持ってジャンプするのもいいでしょう。水中で身体がぶれたり、よじれたりする場合は、まずは支えてあげることも必要です。
 
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【キック】
 さて、ここからサッカーの動きに近づいてきます。水中でボールを蹴るイメージで足を振ります。いつものようなフォームで蹴れますか? よろめいてしまう人は、陸上でも理に適った蹴り方をしていないことが多いようです。不安定な水中で体幹をうまく使った蹴り方が自然に身につきます。
 
①コースロープにつかまって蹴る動作をする
 左右両方の足、インサイド、インステップなどボールの蹴り方ごとにやってみる
②コースロープなしでその場でキック
③一度水中でジャンプしてからキック
 コースロープはお父さんの腕でもいいですね。まずは補助のある状態から、どんどん負荷がかかる状態にしていきます。どのキックも左右両足で万遍なく、しかもインサイド、インステップなど実際の蹴り方を全部やることに意味があるそうです。③は、抵抗や水圧を感じながら、さらにジャンプすることで足場の不安定さが加わるという、やってみると難しいキックです。髙橋先生は「ブラジルの選手がビーチや芝の上で裸足になってサッカーをするというのを聞いて思いついた」と言います。
 
 陸上では何となくやっている動きも、水中でやってみると意外と難しいものです。プールを有効活用すれば、よく言われる「コーディネーショントレーニング」や「体幹トレーニング」が特別な機器なしで、しかも簡単にできそうですよね。
 
 体幹を鍛えるには、水に浮いた状態から床に足をつかずに一回転したり、水中で前転したりするトレーニングもあるそうです。これが実はすごくキツいんです。
 
「水中でのトレーニングは様々な可能性を秘めています。水泳の効果としてよく言われる心肺機能の向上は、他のスポーツにも有効です。水の特性を活かしたトレーニングがもっと色々なスポーツで応用されるといいのになと思っています」
 
 暑い夏、練習をサボるのはまずいですが、冷たい水の中で身体を冷やせるのなら一石二鳥。プールでサッカーのトレーニングというのも新たな選択肢になるのではないでしょうか?
 
 
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髙橋雄介//たかはし・ゆうすけ
中央大学理工学部教授。現役時代はバタフライの選手として活躍。アメリカで最新の科学的トレーニングを学ぶ。帰国後、中央大学水泳部監督に就任。インカレは11連覇を含む14回の優勝、オリンピックメダリストを輩出するなど、世界に通用するトップ選手を数多く育成。7月28日~8月4日にスペイン・バルセロナで行われる世界水泳選手権大会にも50m自由形日本記録保持者・塩浦慎理選手を送り込み、コーチとして帯同している。
 

 

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取材・文/大塚一樹 写真協力/東邦出版

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