親子でチャレンジ
お父さんレフェリー必見!あなたの笛には子どもを変える力がある
公開:2014年9月 3日 更新:2023年6月30日
■レフェリーは敵ではない
私の父は教員で、サッカー部の顧問でした。地区が近いので、練習試合で顔を合わせることもありました。父は、練習試合でも黒いシャツをきて、イエローカードやレッドカードを持ち、試合中に走り回っていました。あまりに一所懸命な姿に、息子として恥ずかしさを覚えました。父は、ファウルアピールするために倒れた時にボールを手で抱えた中学生に警告を与えました。私は友人と「練習試合なのにねぇ」と苦笑いしていましたが、その後、その中学生がファウルアピールをすることはありませんでした。
お父さんやお母さんが一所懸命に審判員をする姿は、もしかすると恰好良いものではないかもしれません。しかし、ひとつの判定が選手の将来を良い方向に導くこともあるのです。そのためには、大人である審判員も最善を尽くさなければいけません。そして、その努力は、サッカー界に良い変化を与えるはずです。
たとえば、Jリーグのスタジアムでは、審判員に対するブーイングが当然のように起こります。審判員が良いパフォーマンスで試合を終わらせても、応援するチームが敗れれば、審判員に不満が向かいます。そういった審判員に対する不信感も、育成年代の審判員が、子どもたちとリスペクトの関係を作ることで変わると思います。
なぜならば、その子どもたちもいつの日かサポーターになるからです。その時に、「審判員は敵ではない」という雰囲気を作るのが彼らです。「そういった文化ができあがれば、審判員と選手が一緒に練習することができるのでは」と家本さんは理想を語ってくれました。
「たとえば審判員も、チームの練習に行って、紅白戦だったりシステマチックな練習に参加させてもらう。世界でも類をみないものではありますけど、世界でやってないからといってやってはいけないわけではないと思います。日本から発信したっていい。選手と審判で分けるのではなく、時にそういったセッションができる環境が生まれれば、互いにとっていいと思うんですね。練習の時から判定基準に触れられる。我々審判員も当然練習になります。一週間に一度、無理ならば月に1、2回できれば、色々なものが変わってくる。」(プロフェッショナルレフェリー合宿にて)
子どもがフォーメーション練習をしているピッチで、お父さんやお母さんが審判員として練習に参加する。互いに判定の確認になり、ファウルにならない接触技術を身に付けることができるようにもなります。審判員と選手が「今の判定はミスだったかもしれないね」「いいよ。次よろしくね」なんて会話をすることもあるかもしれません。保護者や審判員が変わるだけで、日本サッカーの未来はより一層明るくなるのです。
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