前回記事『あなたが、子どもと一緒にサッカーをプレーしたほうがいい理由』では、東京ヴェルディの松本哲男コーチに子どもと関わる楽しさを語ってもらいました。今回は、コーチとして彼が取り組んでいる工夫や、最近になって感じる子どもの変化、親子サッカーの大切さをお聞きしました。(取材・文 中村僚)
■面識のない人とサッカーをして、新しいコミュニティができる
このスクールに参加するお父さんお母さんからはいい評判をもらっている様子です。そして、サッカー以外でも思わぬ効果があるようです。
「早朝だと練習の後に時間があるので、自分の好きなサッカーをした後に家族と一緒に過ごす時間が持てるんです。それはお父さんお母さんからもありがたいと言ってくれます。昼間にサッカーに行くと奥様から非難がくるお父さんもいると思うんですけど(笑)。
それと、自分はサッカー経験がないけど、子どもがサッカーを始めたから自分もやってみるという人もいます。子どもと一緒に成長したいという親もいます。参加してくれた人の中には、ヴェルディが開催する他の合宿やイベントに来てくれたりもします。
■家族ぐるみの付き合いが増える
常連さんになると、このスクールで出会った家庭同士が仲良くなることもありますね。お互いが顔見知りになって挨拶したり、ゲームの中で子どものボールを他のお父さんが全力で奪ったり。日常生活とはまた違った新しいコミュニティもできつつあります」
参加者の足立さん親子は夫婦姉弟と、家族ぐるみで参加していました。
「もともとは弟がこのスクールに参加していて、そこに姉も来たがっていたので、今回はみんなで参加しました。とても楽しかったです! 姉もサッカーチームに入団していますが、普段の練習よりもコツやルールがわかりやすかったです。家でもこの子とは学校のことなどたくさん話しますが、こういうコミュニケーションもいいですね」
環境や年齢が違う家庭が集まれば、それだけ練習メニューを考える必要があります。そこにも松本コーチの工夫が見えました。
「お子さまの年齢層や参加者によってメニューを変えています。幼児が多かったり、初めて申し込んでくれた人たちが多かったりしたら、あまり激しいゲームなどは組まないようにしています。逆に高学年だったらサッカー要素を強くして、親子での1対1やゲーム形式の練習を多くしています。もちろん天候なども影響します。暑い中で激しい運動はできませんから」
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