■家族同士がコミュニケーションをとれる工夫
練習を見ていて印象的だったのが、親子間や家族同士でのコミュニケーションを多くとれるようなルール設定がしてあるメニューが多いことでした。
「大人だって、面識のない子どもに話しかけるのは難しいと思うんですね。でも例えば、ゲームのルールを『大人・子ども・大人の順でパスしなきゃいけない』と設定すると、子どもも勝ちたいから大人に向かって『こっちフリー!』って叫んだりします。そういうコミュニケーションが少しずつでも生まれて、サッカーをするうちに仲良くなっていければいいかなと思っています。
最初は小学2年生が上限の募集だったのですが、その子たちが成長するに連れて自然と上がっていきました(笑)。小学生でも年中の子と一緒にサッカーをすると、その子を思いやることができるんですよね。顔面に当たったら危ない強烈なシュートを打つこともないですし、少し気を使ってパスを出したりします。いま参加している4年生はそういった気遣いができるので、それなら幅を広げてもいいかなと判断しました。
■上に投げたボールがキャッチできない? 子どもの運動能力の変化とは?
そんな工夫を施しながら6年間、指導に携わってきた松本コーチ。彼も最近の子どもに変化を感じるようです。
「幼稚園巡回と言って、幼稚園を回って一緒に運動をする活動があります。これは完全に個人的な印象ですが、最近は上に投げたボールをうまくキャッチできない子が増えたということです。そうするとその次のトレーニングにいけないので、一度バウンドさせてからキャッチなどにしています。運動能力が低下しているのか、ただ単にその運動ができないのか。あるいは、サッカーやひとつのスポーツに集中してしまっているのか……。いろんなことが考えられると思います。
以前と比べると今はボールを蹴れる公園も少なくなっているように感じます。それに、二人でパス交換だけしていてもすぐに飽きてしまいます。そういったことを考えても、このスクールのような場を設けることが重要なのかもしれないですね」
ボール遊び禁止の公園が増え、テレビゲームもどんどん増えたことで、公園にみんなで集まってポータブルゲームをプレーするという光景も多く見るようになりました。しかし、「運動能力が落ちているかもしれない」というのは、松本コーチだけでなく多くのメディアが報じていること。運動よりも魅力的に見える遊びが増えている今だからこそ、保護者の方から働きかけて、体を動かす楽しさを教えてあげませんか?
サッカー少年の子育てに役立つ最新記事が届く!サカイクメルマガに登録しよう!